2016-10-28

皮膚膠原病治療 up to date @信濃町

昨夜は明治記念館にて、第2回信濃町臨床皮膚疾患懇話会がありました。慶應大学皮膚科の病診連携の会です。昨年に引き続き参加させて頂きました。
乾癬、薬疹、膠原病の3つの専門外来の担当医が診療内容を紹介されました。私にとって最も有益だったのは、専任講師谷川先生による膠原病の最新の治療薬についての講演でした。

皮膚エリテマトーデス(CLE)・全身性エリテマトーデス(SLE)の標準的治療薬である抗マラリヤ薬、ヒドロキシクロロキンが昨年7月に国内で認可されました。
私は、その昔、病院勤務医時代に膠原病専門外来を担当しており、皮膚症状を主症状とするSLE,CLE,DLE,シェーグレン症候群の患者さんを数多く診ていました。開業してからも当院では、特にシェーグレン症候群の患者さんは多いです。
生命予後に影響はしないものの、中高年の女性が顔面、頸部、手背などに環状紅斑を呈して来院され、診断は容易ではありますが、治療となるとステロイド軟膏外用はあまり効きません。もちろん少量のステロイド内服は有効ではありますが、長期服用は副作用の点からも望ましくありません。

ところで、今から16年前にジュネーブでEADVという学会があり、そこで衝撃を受けたことが2点ありました。それは、ニキビに対してアダパレンの使用とSLEに対してのヒドロキシクロロキンの使用でした。ヨーロッパでは標準治療のようでしたが、当時はいずれも日本にはない治療でした。しかしながらアダパレンは既にディフェリンゲルという商品で販売され、ヒドロキシクロロキンもプラケニルという商品名でやっと承認されました。日本の皮膚科の治療が、やっと世界標準に追いついて来た感があります。

講演では、正しい使用法と使用上の注意、副作用など詳細に教えて頂きました。
CLEとSLEのみが保険適用がありますが、実はシェーグレン症候群の環状紅斑や関節症状、倦怠感にも有効です。
最も重大な副作用は網膜症ですので、投与前と内服中も半年に1回、眼科でスクリーニングを受ける必要があります。添付文書にも眼科の必須検査項目が指定されています。
投与に関しては、エリテマトーデスの治療経験をもつ医師が、網膜障害に対して十分に対応できる眼科医と連携のもとに使用するべきである、と強調されていました。
詳細は日本皮膚科学会による「ヒドロキシクロロキン適正使用の手引き(簡易版)」をご参照ください。

実は、1年前に発刊された日本皮膚科学会雑誌11号にも掲載されていました。私は日頃の不勉強を恥じながら熟読しました。次々にガイドラインも作成されるので油断ができません。医師は絶えず勉強しなければいけません。
このたびの講演を拝聴して、惰眠から覚めた思いでした。
懇親会では、ご講演下さった谷川先生と歓談しました。私と同年代で、初対面ながら意気投合しました。来年1月の福島での膠原病研究会で、またお会いしましょう。

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