2016-09-29

重症型手足口病の流行

手足口病が大流行しています。しかも5年前より流行り出した新型の症例が多いです。
古典的な手足口病よりも、大きな紅斑と水疱が手足に多発し融合傾向があります。口腔内には発疹を認めないことが多いです。全身に水疱を伴う紅斑が多発することもあり、水痘(水ぼうそう)や多型滲出性紅斑に類似します。高熱も伴います。

年齢を問わず発症しますが、小児よりも成人の方が重症化しやすいです。成人例では、足底の水疱が大型化して歩行時痛が顕著となります。
古典的な手足口病の原因ウイルスはCoxsackie A16ですが、新型ではCoxsackie A6が検出される症例が多いため、原因として疑われています。

さて治療ですが、原因ウイルスに対しての根治療法はありません。
私も医師になって、手足口病の診断で投薬をしたことはありませんでした。ほとんどは軽症で全身症状もなく、放置しても自然治癒します。
ところが今年は、成人の重症例においては足底の激痛のためQOLが著しく損なわれ、いつものように「時間が治してくれますから待ちましょう。」と放っておくわけにはいきませんでした。
私は、できれば抜きたくはない「伝家の宝刀」を抜きました。それは3日間のみのステロイド内服療法です。具体的にはプレドニン20mg×3日間です。
ウイルス感染に対しては、ステロイド内服は無効どころか悪化させると考えるのが医学の常識です。私もそのように考えます。
しかしながら皮膚の強い炎症は、ステロイド内服で2日ほどで水疱は速やかに改善し痂疲化します。全身症状も悪化しません。

手のひらや足底の汗疱(異汗性湿疹)の大水疱に対しては、いくらステロイド軟膏を外用しても中々治りませんが、少量のステロイドを短期に内服併用で著効するのは、皮膚科の先生方は経験されていると思います。同じ機序と考えます。

手足口病の診断は、比較的容易です。診断をした上での治療方針は、医師の裁量によります。医師は信念を持って治療すべきでしょう。
ちなみによくある質問ですが、手足口病に感染しても登校・登園は問題ありません。休む必要はありません。
しかしながら発熱疼痛などの症状があれば、安静のため休ませた方が良いでしょう。


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