2016-08-07

美容皮膚科学会2016

昨日夕方からと今日終日、京王プラザホテルでの美容皮膚科学会に参加しました。いつもながら充実した講演満載でした。印象深かったのは・・・
1、ヒアルロン酸の注入療法
私にとってヒアルロン酸の注入療法はとても神経を使うものの、おそらく患者さんにとっては、最も満足度の高い施術であろうと考えます。理由はレーザーやボトックスと違い、その場で効果が明らかで、お互いに仕上がりを評価できるからです。最適な注入部位と量は患者さんごとに異なり、オーダーメイド治療です。術者の技術とセンスにより、結果に差が出るので面白いです。今回の講演で、患者さんの満足度を上げリピート率を上げるノウハウを教えて頂きました。
一方、顔のパーツの「黄金比による美の基準」をベースにした造顔術も紹介されました。私は個人的には、このジャンルには興味を持てません。たとえ数値から外れても、その人らしい美しさや愛らしさがあれば、個性を消してまで弄る必要はないのでは、と思います。人それぞれですけどね。

2、色素(ダイ)レーザー
大御所の先生方から、乳児血管腫と血管奇形に対しての施術のテクニックを供覧して頂きました。
乳児血管腫については、最終的には学童期までに消失するものの、早期に治療を開始した方が色調の消退は早いです。腫瘤型は皮膚のたるみが残るので、将来的には手術が必要になります。一方、単純性血管腫などの血管奇形は、1日でも早く、生後数日でもレーザー治療を開始した方が良いです。乳児血管腫と違って自然治癒は期待できず、成長とともに増大、隆起します。色素レーザー照射の際のエンドポイントは、照射1分後くらいに紫斑を形成するのが至適設定です。1日経っても紫斑を形成しないのは、弱くて効果が低い可能性があります。
Nd:YAGレーザーは健保適応がないものの、より深いレベルの血管を破壊できます。ただし、照射直後に表皮のエンドポイントが見える状態では明らかに強すぎで、瘢痕形成のリスクが高いです。私の経験でも、最も熟練を要するレーザーと考えます。
シミの治療と違い、血管腫の治療はリピートするため、その都度設定を検討する必要があり、難しいです。
そして保険請求は、千葉県では3か月に1回のみ認められているのですが、演者の先生の県では3歳未満なら1か月に1回通るとのこと。私にとっては驚きでした。調査してみます。

3、サンスクリーン剤について
学校における啓発活動の講演が興味深かったです。子供たちが多くの時間を過ごす学校での体育や課外活動での紫外線対策は、とても重要です。驚いたことに、プールの際に日焼け止めを禁止している学校があるそうです。中学や高校で、サンスクリーン剤は化粧品の一部とみなし、持ち込みを禁止しているところもあるそうです。
一方、皮膚科の先生方が企業と連携して実験したところ、全生徒がサンスクリーン剤を塗ってプールに入っても、プールの水の混濁の程度に影響はなかった、との報告が数件あります。プールの水への悪影響がないならば、サンスクリーン剤を禁止する根拠はどこにあるのでしょう?むしろオーストラリアのように、教育プログラムの一環として屋外の活動の際には、サンスクリーン剤の使用を推奨するべきなのでは、と考えます。
ある先生から、興味深いコメントがありました。「サンスクリーン剤を毎日持参するよう指示するのは、貧困家庭にとってはハードルが高い。だったら学校現場で無償で配布するよう企業と行政に働きかけているところです。」なるほど、と思いました。
将来を担う子供たちが、生涯にわたり健康な皮膚でいられるためには、学童期までの教育が何よりも大切です。

今回の学会は、医学部5年生の次女と一緒に参加しました。皮膚科志望しており、美容皮膚科に興味深々のようです。懇親会では、多くの先生方にご挨拶させて頂き、本人は感動しておりました。
アトラクションでは、浅草花柳界の芸者さんが舞いました。
一番若い娘と撮らせて頂きました。娘と同年齢のようでした。
関西方面でご活躍のパワフルな先生方と。
来年は神戸と大阪で学会があります。またお会いするのが楽しみです。

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