2015-06-14

ニキビの新しい塗り薬

今年の4月にニキビの新しい塗り薬が発売されました。過酸化ベンゾイルをその成分とするベピオゲルです。海外では既に古くからOTC薬として使われていましたが、このたび日本でもやっと認可されました。角質剥離作用、抗菌作用、抗炎症作用を合わせ持ち、他の抗菌外用剤と異なり耐性菌の出現のリスクがありません。

私は発売以降、多くのニキビの患者さんに処方してきました。当院では、ディフェリンゲルを夜、ベピオゲルを朝というように、2種を併用しています。ベピオゲルを朝外用と指示した理由は、再診時に患者さんとの会話で2種の外用剤を区別できるようにするためです。薬剤名を覚えて下さらない患者さんが多く、チューブの大きさはいずれも15g入りです。そこで朝か夜かの用法で区別することにしました。朝にベピオゲルを塗って、その上から日焼け止めクリームを塗ってメイクするように指示しています。

さて発売2か月たち、その効果を評価できるようになりました。
従来の抗菌外用剤と比べ、著効例が多い印象です。ディフェリンとの併用で懸念された副作用や脱落例は、ほとんどありません。保湿剤として、ヒルドイドローションも同時に処方することもあります。
さらに、胸や背中のニキビにも有効です。ディフェリンは顔にしか使えませんが、ベピオゲルは部位の制限がありません。衣服に付くと漂白されるとのことですが、今のところ患者さんから服の色が落ちた、との報告はありません。

日本のニキビの治療が、世界標準に近付いて来たようです。
ところで、近日中にはデュアック配合ゲルが発売されるようです。塩化ベンゾイルとクリンダマイシン(ダラシン)の合剤です。合剤であるがゆえに常温では不安定で、冷蔵庫保存が必要です。添付文書には、偽膜性大腸炎などの副作用の可能性と、アトピー性皮膚炎の患者さんには重症の即時型アレルギー反応のおそれがあるため慎重投与するように記載されています。いずれもクリンダマイシン由来の事象です。
クリンダマイシンと拮抗する可能性があるため、エリスロマイシンとの併用は注意すること、とあります。抗生剤の飲み薬にも制限が出てきます。
そもそも塩化ベンゾイルの立ち位置は、抗菌外用剤との差別化であったはずです。さらに国内では、クリンダマイシンに対して耐性を示すアクネ桿菌も出現しています。外国で製品化され既に実績のある外用剤ではありますが、私は個人的には、デュアック配合ゲルのニキビ治療における立ち位置が、曖昧な印象があります。

発売前ではありますが、メーカーから試供品が送られてきました。患者さんに使わせるわけには行かないので、ニキビができている娘にあげてみました。娘は医学部4年生で既に皮膚科の講義を受けています。既に使用経験のあるベピオゲルと比較した感想を聞かせてもらうつもりです。
今月に入り突然、発売メーカーが変更になったとのお知らせがありました。現場の皮膚科の先生たちは困惑されていることでしょう。いずれにせよ、治療の選択肢が増えたことは患者さんにとっては、喜ばしいことです。

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