2015-04-10

ネオメドロールEE軟膏はかぶれる

敢えて商品名を冠したタイトルをつけました。これは皮膚科医にとっては最早、常識です。しかしながら皮膚科医以外の先生は、眼瞼の皮膚炎に対して未だにネオメドロールEE軟膏を処方される方もいらっしゃいます。

昨夜、クレストホテル柏で「抗菌外用剤と接触皮膚炎」の講演会がありました。私にとっては良く経験する事例ばかりで、目新しい知見はあまりなかったのですが、ネオメドロールEE軟膏のかぶれについては詳細な報告がありました。
眼瞼皮膚炎は、頻度の多い疾患です。マブタがかぶれて赤く痒くなる状態で、原因は化粧品やヘアダイ、スギ花粉などが多いです。メイクやクレンジングの習慣があるためか、女性に多いです。眼瞼の皮膚の炎症ですので、専門は皮膚科です。ネオメドロールEE軟膏は、ステロイドであるメチルプレドニゾロンと抗生剤であるフラジオマイシン硫酸塩の合剤ですので、ステロイドが効いて大半の症例は恙なく治癒しますが、中にはフラジオマイシンで感作が成立することもあります。するとネオメドロールEE軟膏を塗れば塗るほど眼瞼の皮膚炎は悪化します。
よくあるケースとして、スギ花粉皮膚炎でネオメドロールEE軟膏の外用を続けているうちにかぶれてしまい、スギのシーズンが過ぎ去ったにも関わらず、眼瞼に慢性湿疹が残ります。
この場合、ネオメドロールEE軟膏を中止して皮膚用のマイルドなステロイド軟膏を外用することにより、速やかに症状は改善します。

昨夜の講演で興味深かったのは、パッチテストの手技です。
1、ネオメドロールEE軟膏中のフラジオマイシン硫酸塩の濃度は0.35%であり、as is(製品)でパッチテストをしても陽性になる可能性は極めて低い。(ステロイドも入っていますしね。)
2、ジャパニーズ・スタンダードでは20%濃度のフラジオマイシンを推奨している。
3、判定は72時間では不十分で、1週間後に陽性反応が出てくることもある。

フラジオマイシンで感作が成立すると、同じアミノグリコシド系であるゲンタマイシンでも交叉することもあります。ただしゲンタマイシンによる感作率はフラジオマイシンと比較すると、非常に低いようです。
むやみに抗菌外用剤を皮膚に外用すると、感作される可能性があります。「アトピー性皮膚炎」や下腿の「うっ滞性皮膚炎」などの皮膚のバリア異常がある場合は、特に危険です。

眼瞼の皮膚炎に対して私は、マイルドな皮膚用のステロイド軟膏かタクロリムス軟膏を処方します。睫毛部に対してはプレドニン眼軟膏です。
皮膚科医になって30年たちましたが、この20年間はネオメドロールEE軟膏を処方しておりません。ネオメドロールEE軟膏は、1本3gと小型の使い切りサイズで、軟膏基剤の使用感も悪くありません。惜しむらくはフラジオマイシン硫酸塩が入っていることです。シンプルにメチルプレドニゾロン眼軟膏であったら、私も処方したと思います。

1 件のコメント:

  1. この軟膏を処方されていまだに治りません。皮膚科で処方していただいた薬でほとんど治りかけていたのですが、目の処なので眼科に行き処方されました。
    最初よりひどくなっているようです。

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