2015-04-05

後楽園にて

昨日は東京ドームホテルにて、お二方の先生による講演会がありました。皮膚の保湿に関する興味深い講演でしたので、一部を紹介します。

特別講演1
・東京の湿度は、この100年間で低下し乾燥が強まっている。これがアトピー性皮膚炎の患者数の増加の一因ではないかと考えられる。
・マウスの実験系で、高湿度環境下のマウスは角質水分量が増え、さらに接触過敏反応は減弱する。感作時の湿度ではなく、誘発時の湿度が関与する。すなわちたとえ感作が成立しても、皮膚が保湿されていれば、かぶれの反応を抑制することができる。同様のことがアトピー性皮膚炎にも当てはまる。保湿によりTh1/Th2サイトカインの減少が認められた。遺伝よりも後天的環境により炎症をコントロールすることができる。

特別講演2
アトピー性皮膚炎発症予防に関する疫学的調査の論文がいくつか紹介されました。
・妊娠中と乳幼児期に食物や環境抗原を除去した介入を行っても、アトピー性皮膚炎の予防には無効であった。むしろ離乳食開始の時期が遅いほど発症率が高くなる。
・9~11月生まれの子供にアトピー性皮膚炎の発症率が高い。
・世界的にも、寒冷で日照時間の少ない暖房を使用する乾燥した地域での発症率が高い。
・健常新生児に、生下時より保湿剤を用いて全身に連日スキンケアをした群は、対照群と比べアトピー性皮膚炎の発症率は約半分に抑えることができた。
ちなみに海外のデータでは、保湿剤にセタフィル(当院でも好評発売中)を用いて対照群が43.4%に対して、介入群は21.8%。国内のデータでは、デューエを用いて対照群59.6%に対して、介入群は34.1%。

お二方の先生方のお話のまとめとして、スキンケアをすることによりアトピー性皮膚炎の発症を予防することができる、ということになります。私が日頃、診療に従事しながら感じていたことと一致しておりました。

さて講演会に先立ち、私は小石川後楽園を散策しました。会場から徒歩6~7分ほどです。ここを訪れたのは26年ぶりでした。名物の枝垂桜が見事で、今季最後の花見を楽しむ人々で賑わっていました。

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