2014-12-12

舌下免疫療法の実際と今後

昨夜は、クレストホテル柏にて東葛小児アレルギーフォーラムがありました。千葉大学耳鼻咽喉科教授の岡本先生が「舌下免疫療法の実際と今後」という講演をされ、東葛地域の小児科、内科、耳鼻科、皮膚科の先生方が多数参加されました。

スギ花粉症の新薬として、本年10月にスギ花粉エキス舌下液「シダトレン」が発売されました。従来の注射による減感作療法の代わりに、舌の下部に薬をたらして服用する薬です。自宅で投与可能、痛みを伴わない、重篤な副作用が少ない、というメリットがあります。初日から2週間かけて漸増し、その後は一定量で連日舌下します。有効率は30%です。
まずは、スギ花粉症の正確な診断のためには、血液検査による特異的IgE抗体とスクラッチテストかプリックテストによる皮膚テストが必要です。
治療開始するに当たり、以下の点をきっちりとインフォームドコンセントする必要があります。

オフシーズンも含めて、2年できれば3年以上連日投与する必要があり、効果発現までに2~3か月かかる。
30%が治癒、50%が軽快するものの、一方では20%はまったく無効であり、治療効果の予測は不可能である。
薬価代は決して安価ではない。
副作用として、口腔内浮腫や違和感は2%ほどで、全身的なアナフイラキシーは1億回に1回の頻度である。

なお気管支喘息患者、悪性腫瘍がある患者、免疫系に影響を及ぼす全身性疾患がある方、ステロイド内服中の方、65歳以上の高齢者と12歳未満の小児、妊婦、産婦、授乳婦には投与できません。

私はアレルギー学会専門医なのですが、昨年秋以降の学会主催の舌下免疫療法の講習会が私の予定と合わず、いまだに講習会を受けておりません。舌下免疫療法を行うためには、学会主催の講習を受け、メーカーのネット講習を受けた後に確認テストに合格する必要があります。秋以降に、数人の患者さんから「シダトレンの処方はできますか?」と問い合わせがありました。そのたびに「来年になります。」とお答えしました。来年5月下旬にアレルギー学会で講習を受け、その後に一連の手続きを受けてからになりますので、今しばらくお待ちください。
新薬であるため、最初の1年間は薬の処方が最長で14日間となります。2年目からは60日分が処方されますので、最長で2か月に一度医師の診察を受けるだけで頻繁に通院する必要がなくなると思われます。来年10月の発売1周年の時期を見計らって、当院でも処方を開始しようかと考えています。

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