2014-09-23

カリブの風を感じて

晴れやかな秋分の日、中野サンプラザにて、トリニダード・トバゴから来日したスティール・バンドの公演を聴きに行きました。

20世紀前半、アフリカ系黒人がイギリス人によってドラムを取り上げられ、その代わりに石油のドラム缶を叩いて生まれたのがスティールパン(ドラム)です。まだ歴史の浅い若い楽器ですが、その後、12音階を奏でるメロディ楽器に進化しました。
私は中南米の音楽と楽器が大好きで、以前からスティールパンを生で聞きたいと思っていましたので楽しみでした。イメージ通り、いかにもカリブ海の島らしい陽気なメロディやポピュラー、ロック、日本の歌謡曲などが次々と披露されましたが、私が最も感動したのは、バッハの「G線上のアリア」でした。ドラム缶がクラシックと結びつくとは思えなかったのですが、スティールパンは洗練された美しい旋律を穏やかに、優雅に奏でていました。心が洗われるような衝撃でした。
「G線上のアリア」は、私にとって思い出深い曲です。新婚旅行でスペインのトレドの教会を訪れたとき、パイプオルガンの演奏が聴こえてきました。以前から知っていた曲ではありましたが、とても新鮮な響きがありました。

初めて生で聴いたスティールパンの多彩な魅力の虜になってしまいました。逆境にもめげず、身近な廃材で素晴らしい楽器を創り出した黒人のパイオニアたちの知恵と音楽に対する情熱に敬服します。バンドのメンバーのポリシーは、「スティールパンの音で聴いている人にハッピーを届けたい。」そうですが、十分にハッピーな時間を過ごすことができました。

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