2014-07-30

ミュージカル「ミス・サイゴン」

今日は、帝国劇場にてミュージカル「ミス・サイゴン」を観ました。1992年に伝説の歌姫・本田美奈子の主演作を観ましたので、22年ぶりです。今回は、市村正親が出演予定だったのですが、先週末に早期胃がんが発見され、急遽ダブルキャストの俳優が代役を演じました。初演1回限りで降板とは残念ですが、ご健康の回復を祈ります。

今回の演出は前回以上に舞台道具が凝っており、クライマックスは混乱の中、ヘリコプターで脱出するシーンでした。けたたましい大爆音はとても臨場感がありました。キャバレーでの米兵客とホステスとの痴態は、リアルに細部を表現していました。
ストーリーは、オペラ「蝶々夫人」と同じです。こちらは「ミス・サイゴン」よりも100年前に制作され、舞台は長崎です。二つの作品の共通点は、男性は米国軍人で、任期終了後は現地妻と子供を残し、帰国してからアメリカ人女性と結婚します。その後、妻とともに現地を再び訪問し、子供を引き取りアメリカで養育することを現地妻に提案します。ここも全く同じです。更に子供を手渡した後に、現地妻がその場で自殺します。結末の悲劇もまったく同じです。
兵士と戦地の女性との恋愛とその後の悲劇は、芸術作品の題材によく使われます。イタリアの名画「ひまわり」もそうでした。時代の波に翻弄された登場人物の心理的葛藤が、観客の共感と涙を誘うのでしょう。

でも最後の悲劇に納得しない観客もいます。隣の方は、「えっ、これで終わり?こんなの悲しすぎる。」と言っていました。私も同感です。もし私がヒロインならば、愛情を注いで教育を受けさせることを条件に子供を引き渡し、その後は心機一転して新しい人生を歩みます。親子が一緒にいることが、子供にとって必ずしも幸せとは限りません。遅かれ早かれ子供は親の元を去ります。
でもこれでは、ドラマにはなりません。半狂乱のヒロインの熱演があるからこそ観客は感動します。

ベトナム戦争は1975年に終戦しました。私が高校1年生のときですので、さほど大昔には思えません。戦争は残酷です。世界が平和であることを祈ります。
帝国劇場のロビーです。ステンドグラスがきれいでした。

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