2014-07-17

疥癬の診断と治療アップデート

昨日はクレストホテル柏にて、クラシエ薬品㈱共催の東葛地区皮膚臨床懇話会がありました。石井則久先生による「目からウロコの疥癬事情」という講演でした。皮膚科の先生以外にも薬剤師の方など、いつになく多数の参加者で大盛況でした。
疥癬は古くからある感染症ですが、介護施設などで集団発生することがあり、一昨年東葛地区でも大流行しました。診断は手指、指間、手掌、手根部の線状の疥癬トンネルを探し、そこから眼科用ハサミで角質を採取し、顕微鏡で観察し虫体か虫卵が見つかれば、確定診断です。小児では足底や側縁にも疥癬トンネルがあります。男性ならば陰嚢の結節からでも虫体が見つかることもあります。それ以外の四肢・体幹の丘疹からは、まず見つかることはありません。

最近は、ダーマスコピーが診断に有用になりました。昨日の講演では、ダーマスコピーを用いた診断のコツが紹介されました。
1、狙った採取部位をエタノールで拭く。
2、検出率が高いのは、水尾(みお)徴候、wake signといって、疥癬トンネル後方のV字型あるいはY字型の先端。ここを採ると虫体がいる。
3、ダーマスコピーでは虫体は、黒褐色の二等辺三角形に見える。
講演中、疥癬トンネルを27Gの注射針を用いて角質を薄く除去し、虫体が動いている様子を動画で供覧していました。場内からは驚嘆の声が上がりました。マニアの先生が撮った貴重な映像でした。私は疥癬の動画を見たのは初めてでした。

次に治療です。昔はムトウハップなどの硫黄泉、クロタミトンやγBHC軟膏の外用でしたが、2006年にストロメクトールの内服が保険適応になり、疥癬の治療に革命をもたらしました。診断が正しければ100%治癒するようになりました。そしていよいよ、来月22日よりスミスリンローションが保険適応となります。
用法は1週間間隔で1回1本30gを首から下の全身の皮膚に塗布し、12時間後に入浴し洗浄します。これを2回行います。ちなみに1回あたりの薬価はストロメクトールと同額です。
今後の疥癬の標準治療は、
15歳未満の小児と妊婦はスミスリンローション、授乳婦は授乳を中断しスミスリンローション。
成人の通常疥癬は、ストロメクトール内服かあるいはスミスリンローション外用。
成人の角化型(ノルウェー)疥癬は、ストロメクトール内服とスミスリンローション外用の併用。
といった方針を推奨されていました。新しい戦略に期待ができそうです。

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