2014-06-23

リンゴ病が流行っています

この1~2週間、リンゴ病の患者さんが毎日のように来院されています。我孫子地域では4年前の夏にも大流行しましたが、再び流行り出したようです。
リンゴ病は、伝染性紅斑といってヒトパルボウイルスB19が原因です。小児例では、頬の紅斑の他、上肢下肢、おしりに網目状の紅斑がでます。蕁麻疹や多型滲出性紅斑と類似しますが、痒みは軽く、発熱もなく全身症状もありません。自然治癒しますので、治療は要りません。(抗ヒスタミン剤内服やステロイド外用は無効です。)
一方成人例では顔はあまり赤くならず、上肢下肢、体幹に数ミリの細かい紅斑と、指、下肢のむくみ、微熱、膝の関節痛を生じます。風疹によく似ています。成人女性では倦怠感が強く出ます。夕方に悪化し、家事労働も辛くなります。あたかも膠原病にそっくりな症状で、血液検査でも抗核抗体陽性、血清補体価の低下などSLEの所見が一時的にでることもあります。必要に応じて安静と、鎮痛解熱剤を投与することもあります。
小児、成人とも約3週間の経過で治癒します。紅斑が薄くなっても紫外線に当たるとまた赤くなりますので、露光は避けた方がよいです。登園、登校、出勤は制限する必要はありません。通常通りの生活で構いません。

成人の約半分は過去に感染し、免疫を持っていると言われています。
私の場合、当時小学1年生の次女から感染し罹患しました。成人女性の御多分に漏れず、全身倦怠感がひどかったです。病院勤務医でしたが休むわけにもいかず、外来、入院、手術、当直と通常通りに、夏の過酷な業務をこなしましたが、夕方には下肢のむくみと関節痛、微熱も生じて辛かったです。念のため血液検査をしたら、予想通り抗核抗体陽性、血清補体価12以下に低下していました。初期は顔には発疹がなかったのに、2週目で露光したら頬に蝶形紅斑様の紅斑がでてきました。ただし鼻根部には紅斑を欠いたため、SLEの紅斑とは鑑別が容易でした。何の治療もせず、かれこれ1か月かかって治りました。

自らが「SLE様の臨床・検査所見を呈した伝染性紅斑の成人女性の1例」になった貴重な経験でした。この経験があるがために、私はリンゴ病の患者さんを連れていらしたお母さま方に申し上げています。
「もしお母さまに感染したら、お子さんよりも重症化するでしょう。夕方、家事をするのも辛いようでしたら、家事を手抜きしましょう。男性がかかっても女性よりは症状が軽いですから、ご主人に家事をお願いしちゃいましょう。高々3週間のことですから。」と。

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