2014-02-18

ダウンタイムも治療期間

当院では複数のレーザー機器を用いて、シミ、老人性イボ、ホクロ、シワ、傷跡、ニキビ跡の治療を行っています。ヒアルロン酸注入やボトックス注射によるシワの治療も行っています。これらの美容治療には多かれ少なかれ、施術部位がきれいになるまでのダウンタイムがつきものです。当然ながら施術前には必ず説明をしております。たとえばシミの治療のQスイッチレーザーでは、約10日間で上皮化しますが、その1か月後には半分くらいの割合で炎症後色素沈着を生じます。元の標的のシミは剥がれ、レーザーそのものが原因で生じた一時的な黒ずみなので、待っていれば必ず消えます。炭酸ガスレーザーでイボやホクロを除去した場合も同様に、炎症後色素沈着を生じることもあれば、瘢痕の赤みが数か月残ることもありますが、やはりひたすらじっと待っていれば3~6か月で消えていきます。
一般的に、顔に肝斑がある方(もちろん肝斑部位にはレーザーは照射しません。)、顔に多数のシミがある方、くすんでいる方はレーザー後の色素沈着が強く出て、消えるまでに通常よりも時間がかかります。白人のように色白の方のシミをレーザーで狙い撃ちした場合は、色素沈着は稀です。日本人を含めアジア人の肌は色素沈着を生じやすいです。酒さといって顔の毛細血管が拡張した赤ら顔の方に、炭酸ガスレーザーでホクロを治療すると、瘢痕の赤みが消えるのに半年かかることもあります。施術後の経過を予想するために、予め顔全体の皮膚を観察する必要があり、初診時には必ず化粧を落とし素顔になっていただきます。

私は患者さんには、「ほったらかしにしましょう。」とよく申し上げます。色素沈着に対してレチノイン酸クリームやハイドロキノン軟膏を外用していただくこもあります。これらを用いた方が早く薄くなるとは思いますが、おそらく半年後の経過は変わらないと考えます。こうした美白剤を外用すると、刺激で皮が剥けたり赤くなることもよくあります。ひどいときにはステロイド軟膏を塗ると落ち着きますが、外用を中止すれば治まります。炎症による赤みが気になる方には、外用中止の指示をして、その後は何もしません。

「余計なことはしない」「何もしない」のが最良の治療であることが多いです。むしろ絶対にしてはならないことは、洗顔時に擦ることです。物理的摩擦は色素沈着を増強させます。そして日に当たらないことです。そっとしておくのが一番です。

ヒアルロン酸の注入療法でも、注射なので内出血による紫斑を生じることもあります。口元よりも眼瞼周囲の方がその可能性は高く、個人差もあります。抗血栓剤などを服用されている方は手術に準じて、予め一時的に内服を中止して頂きます。毛細血管拡張した赤ら顔の方は、やはり紫斑血腫を生じやすいです。紫斑は、ほぼ2週間で消えます。

以上のような美容医療に伴うダウンタイムは必ず説明をしておりますが、たまに、理解されない方がいらっしゃいます。「待っていれば大丈夫!」と何度も申し上げても、気の毒なくらいに気落ちされています。ダウンタイムを気にされるか否かも個人差があります。
実は昨日、たまたま余っていた少量のヒアルロン酸を私の顔の某所に注入しました。1か所内出血して紫斑になりましたが、私はいつものごとく、ノーメイクで仕事しました。患者さんもスタッフも誰も気付きませんでした。診療後に看護師に打ち明けても、「全然分かりません。」とのことでした。案外、他人は気付かない、気にしていないものです。

1 件のコメント:

  1. 雑誌の広告を見ると、いかにもダウンタイムが無いように施術のBEFORE/AFTERの写真が並べられますので、患者はすぐにきれいになるもんだと思いがちです。

    治癒の段階で他人から見て瘢痕は全く目立たないのに、患者本人は不思議なことにいつまでもそこに「キズ跡」があるように見えるんですね。

    先生のおっしゃる通り、"Time heals all wounds"ですが、早くきれいになりたいから待てないのが患者心です!

    先生のブログを読んで大変納得です。

    今後は施術前に患者に合併症や瘢痕やダウンタイムのことをもう少しsevereに説明していきたいと思います。ありがとうございました。

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