2013-04-30

川治温泉にて

昨日から2日間休診にさせて頂き、川治温泉に行ってきました。行楽日和の昨日、龍王峡で途中下車してハイキングをしました。山桜がまだ残り、新緑が美しかったです。歩いていると、汗ばむような陽気でした。まずは虹見の滝を背景に撮りました。


泊まったのは宿屋伝七です。2010年の年末以来、2回目です。到着するや浴衣に着替え、温泉に浸かり、日頃の疲れを癒しました。

部屋での夕食も美味しかったです。

疲れ知らずの安近短の旅に、満足です。皆さまはGWに、どこかへお出かけになりましたか?

2013-04-27

アトピー性皮膚炎治療アップデート

一昨日25日に、クレストホテル柏でマルホ㈱共催の講演会ありました。日医大北総病院皮膚科教授のK先生による「アトピー性皮膚炎治療アップデート」です。アトピー性皮膚炎に関する多岐にわたる内容で、演者の先生の豊富な臨床経験に基づいた博識ぶりに敬服しました。
患者さんへの説明として有益な情報として、九州大学皮膚科のHPにリンクされた「アトピー性皮膚炎について一緒に考えてみましょう」というサイトを紹介していただきました。ステロイド軟膏をいつまで使い続けたらよいのか、という疑問への答えが載っています。炎症がひどい時には完全に消失するまでは1日2回外用し、軽快したら1日1回でもOKです。保湿剤は常に外用を続け、炎症の寛解期には週に2回ステロイド軟膏を外用する。これをproactive療法と言います。一方、寛解期には保湿剤単独のみ外用し、炎症が再燃したら初めてステロイド軟膏を外用する、という用法をreactive療法を言いますが、proactive療法の方が推奨されます。

図の内、アプローチ1がreactive療法、アプローチ2がproactive療法に相当します。明快なシェーマなので、引用させて頂きました。

会終了後の情報交換会では、担当MRのKさんと記念撮影をさせて頂きました。いつも大変にお世話になっております。

2013-04-24

藤の香りに酔う

我が家の藤の花が満開です。藤棚ではなく、鉢植えです。普段は目立たないところに置き、開花期のみウッドデッキに移し、部屋から鑑賞します。私は藤の花が好きです。優雅ですし、何といっても香りが堪りません。日本原産なので、古来から歌に詠まれていました。私は桜よりも藤の花の方が好きです。

源氏物語第33帖「藤裏葉」(ふじのうらば)では、藤の花見の宴の様子が描かれております。内大臣から夕霧へ
わが宿の藤の色濃きたそかれに尋ねやは来ぬ春の名残(私の家の藤の花が並の美しさならば、どうして貴方をお待ちしましょうか。格別に美しいからこそ、お招きしたのです)
と歌われ、美しい藤の花の枝が添えられていました。風流です。

源氏物語の中で藤のイメージの姫君は、やはり藤壺です。彼女は源氏よりも5歳年上。父桐壺帝の中宮で、亡き母によく似ていると教えられ、元服後も彼女を慕い続けて、次第に理想の女性として恋するようになります。藤壺が病のため里下がりした折に関係をもち、その結果藤壺は源氏に生き写しの男の子(後の朱雀帝の東宮、冷泉帝)を産みます。何も知らない桐壺帝は、この皇子を「瑕なき玉」と歓喜し溺愛しました。
藤の香りを嗅いでいると、妖艶な藤壺を妄想します。

ところで藤の花言葉は、「恋に酔う」、「陶酔」です。私もしばし、香りに陶酔しました。

2013-04-22

イボに対するロングパルスNd:YAGレーザー治療

尋常性疣贅(イボ)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染により生じ、特に手足に好発します。治療は液体窒素療法が一般的で保険適応がありますが、痛みを伴い、約2週間ごとに複数回の治療を要します。通常は3~6ヵ月ほどで治癒しますが、足底などでは数年治療しても完治に至らないことがしばしばあります。
そこで近年新しい治療として、ロングパルスNd:YAGレーザーによる治療が試みられています。皮膚科の学会では、キュテラ㈱の1064nm Nd:YAG (血管病変仕様)を用いた症例が報告がされています。このたび、当院にあるパロマ㈱のLUX1064を用いて足底の難治性疣贅に対して治療を試みました。

症例は両足の多発するイボに対して、2年2ヵ月間、2週間に1回の間隔で液体窒素療法を累計33回続けたにも関わらず、効果が認められませんでした。そこで患者さんの同意を得て、Nd:YAG レーザー治療を併用しました。パラメーターは、スポットサイズ3mm、パルス幅20ms、フルエンス150J/cm2で、1カ月間隔で合計3回施術しました。ちなみに、この治療は保険適応がないため、今回は無料で行いました。

3回目の治療終了直後には、若干縮小した印象があるものの、血疱やカサブタを作ることなく、期待以下の弱い反応でした。ところが、その2カ月後。突然すべてのいぼが同時に取れてしまい、一気に治癒に至りました。私は正直なところ驚きました。足掛け2年半の歳月をかけ液体窒素で引っ張り、最後はレーザーで「狙い撃ち」して、とどめを刺しました。Nd:YAG レーザーがイボの深い血管を破壊し、イボは息の根を止められ、玉砕したようでした。
患者さんの同意を得られましたので、臨床写真を供覧します。
施術前↓

施術後↓

施術前↓

施術後↓

施術前↓

施術後↓

このレーザーの威力の程が分かりました。やはり血管病変が得意のようです。今後、他の患者さんに対しても行うかどうか、今後検討します。詳細が決まりましたら、ブログで報告します。

2013-04-20

ナロウバンドUVBランプの交換

先週の日曜日にナロウバンドUVBランプが切れてしまい、大急ぎでランプを発注しました。昨日納品され新ランプを装着し、本日より使用を再開しました。6日間機械が使用できず、治療中の患者さんには大変ご迷惑をおかけしました。
ナロウバンドUVB照射器は、305nmの紫外線を発する10本の蛍光灯からなります。照明用蛍光灯と同様に寿命があり、使用時間と共に照射量も落ちていきますので、一定の効果を出すためには照射時間を延長する必要があります。このたび新ランプと交換したので、従来よりも出力が上がっています。従来と同様の時間を照射すると、過剰に反応しヤケドするリスクがあります。従って最初は従来の約半分の時間から開始し、徐々に時間を延長させていきます。条件を変えることにより従来と反応が違ってきますが、御了承ください。

それにしてもこのランプ、1本35,000円します。それを10本購入したので35万円かかりました。医療機器には消耗品がつきものです。現行の保険制度では、光線療法は照射時間や部位に関わらず点数は均一です。他の創傷処置や熱傷処置では面積によって点数が増減しますが、光線療法ではそれがまったく考慮されないのは、不条理な感じがします。いずれ法改正されることとは思います。

2013-04-19

感染症とプール

つい先刻、近隣のスポーツクラブの店長さんからお電話を頂きました。
「当クラブのスイミングスクールに通っているお子さんの保護者の方から、クレームがありました。頭虱が当クラブで流行しそれが感染源になっていると、こやの皮フ科さんで言われたそうですが、そのような事実がありますか?」
私は驚きました。
頭虱の患者さんは、そこそこ散見されますが、特定の施設が感染源になっていると、言ったことは一度もありません。大きな誤解か、都合の良いように曲解してクレームを言われたかのいずれかです。
園児を中心に流行していることは確かですが、感染源を特定することは不可能です。頭虱は水を介して感染するのではなく、頭が接触したり頭髪を介して感染しますので、タオル、ヘアブラシ、水泳帽などを介して感染するリスクはあります。念の為、治癒までは水泳を控えられた方が良いかと考えます。治療はスミスリンシャンプーで10日ほどで治ります。もちろん登校登園は通常通りで構いません。

ついでに他の感染症の場合ですが、・・・
伝染性膿痂疹(とびひ)
かきむしったところの滲出液、水疱内容などで次々にうつります。プールの水ではうつりませんが、うっかり触れることで、病変を悪化させたり、ほかの人にうつす恐れがありますので、プールや水泳は完全に治るまでは禁止です。抗生物質の飲み薬で5日ほどで治癒します。
伝染性軟属腫(みずいぼ)
プールの水ではうつりませんが、肌と肌が触れあうことでうつります。タオル、浮輪、ビート板などを共有するのはやめましょう。プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう。数か月で自然治癒します。

それから、白癬(水虫)は温泉施設と同様に足拭きを介して感染するリスクはあります。施設の管理の問題ではありません。感染してしまったら、早めに治療すれば簡単に治ります。
例年プールの季節が始まると、入って良いかのご質問が多いです。ご参考にして頂けたらと思います。

2013-04-17

つけまつげ接着剤

私は仕事中はほとんど素顔で、、サンスクリーン剤、アイブロウ、マスカラ、リップグロスのみの3分メイクです。ところが昨年12月の誕生日に53歳にして、つけまつげデビューを果たしました。最初は自分でも見慣れないため気恥かしかったのですが、ダンスのレッスンやアフターファイブの会合のときに付ける機会が増え、周囲の反応も悪くはなかったため自信を持つようになりました。最初の内は一度では決まらず、何度もやり直しましたが、練習するうちにコツが分かりワザも付きました。キメ手は接着剤です。

最初は、つけまつげの附属品の接着剤を使いましたが、乾くと白く固まり不自然です。自分の睫毛に付いてしまうと取れにくくて苦労します。無理に取ると睫毛が抜けてしまいます。
次いで試みたのは、二重まぶた用アイテムいわゆるアイプチです。乾くと透明で目立たないのは良いのですが、目頭から剥がれやすく、1日何度も付け直しが必要で疲れます。
そして最後に出会ったのが、D.U.P(ディーアップ)社の アイラッシュフィクサー EX 552です。目立たない透明タイプで粘着力が強く、1日持続します。汗をかいてもとれません。たまたまドラッグストアで見つけたのですが、つけまつげ愛用者にとっては定番の売れ筋商品のようです。価格は税込み945円です。

皮膚科医として気になる成分は、アクリル樹脂54%、水46%とシンプルです。淡い水色の液体ですが、つけまつげに塗り、水分を蒸発させ透明になったところで付けます。アクリル樹脂によるアレルギー性接触皮膚炎は、おそらく稀ながらあるとは思います。当然ながら、使用中に皮膚に異常が出れば、直ちに使用を中止すべきです。講演会などで同業者に会うと、「つけまつげ接着剤でかぶれないの?」と必ず尋ねられます。それだけ、まぶたの化粧品によるかぶれの頻度が多いからでしょう。
さて剥がす時は、目尻から軽く引っ張ると簡単に剥がれます。アイメイクを落とすとき、私は個人的にはワセリンを綿棒に付けて落とすのを好みます。洗顔後にスキンケアをした後も、やはりまぶたと唇にはワセリンを塗ります。ワセリンはメイク落としにも保湿にも使えて万能です。
若い方が見るコスメのサイトでは、目元・口元ケアコスメのランキングでは、ワセリンがディオールに次いで堂々の2位にランキングされていました。どんな高級コスメよりも安全で有効なのは、、やはり古典的なワセリンなのでした。
上手にスキンケアをしながら、勝負の日には美しく装う。これが賢いやり方です。

2013-04-15

湯島スキンケア研究会2013

先週末の土曜日に、日本橋室町のYUITOにてマルホ㈱主催の湯島スキンケア研究会がありました。毎年4月に開催される東京医科歯科大学皮膚科の同門の勉強会です。今回は2人のご高名な先生によるアトピー性皮膚炎に関するご講演でした。特にT病院のE先生は、皮膚科学会きっての弁の立つ先生で、あちこちの学会や講演会でお呼びがかかる売れっ子のようで、今回のご講演の要旨は柏でも拝聴しました。
アトピー性皮膚炎の標準治療における1finger unit外用療法、ステロイド軟膏、タクロリムス軟膏の適切な使用法、そして混合軟膏についてもご指南されました。ちなみにステロイド軟膏と保湿剤を混合して処方するならば、ヒルドイドソフト+リドメックス軟膏、ヒルドイドソフト+アンテベート軟膏などを推奨されていました。組み合わせによっては、混合によりステロイドの有効性が下がることがあるので要注意とのこと。また老人のおむつかぶれのレシピとして、グリメサゾン軟膏と亜鉛華単軟膏あるいはサトウザルベとの混合軟膏も紹介されていました。
会終了後の情報交換会では、年代の近い親しい先生方と歓談しました。私の大切な友人K先生です。いつも温かいご声援をありがとうございます。

3期先輩のS先生とは、子供の教育の話題が多いです。親心は共通です。

私はマルホ㈱のMRさんを信頼しておりますので、私の本音を予めお伝えしておきました。
「製薬会社主催の立食会で、MRがDrのテーブルに料理を運んでくる妙な習慣を廃止して頂きたいわね。食べたくもない料理が目の前のテーブルに所狭しと置かれても誰も手を付けず、勿体ない限り。食べたきゃ自分で取りに行くわよ。」
今回は私の意向通り、スマートな形式の情報交換会となりました。私のリクエストに応えてくださりありがとうございました。i-phoneでの撮影もありがとうございました。

2013-04-14

フィギュアスケート・エキシビジョン

今日は、国立代々木競技場での世界フィギュアスケート国別対抗戦2013・エキシビジョンに行ってきました。実は娘が羽生結弦選手のファンで、せがまれて1枚12,000円のチケットを2枚購入しました。ところが羽生選手が怪我のため、今回は残念ながら出場しませんでした。
一方、私のお目当ては日本のキャプテン高橋大輔選手です。14:00開演のところを、私が仕事が終わって会場に着いたのは16:00を回っており、最後の高橋選手の演技だけをしっかり観ることができました。曲は「ブエノスアイレスの春」。タンゴの振付で男の色気が全開で、彼の真骨頂である情熱的な表現力が見事に開花していました。観客の歓声に応えてアンコールは「エル・マンボ」。ラテンのリズムで会場は手拍子でノリノリ。楽しませてもらいました。彼ほどセクシーな演技ができる日本人男性は他にいないでしょう。ソチ五輪での活躍が楽しみです。頑張れ、チームジャパン!

2013-04-10

移転開院1周年

昨年の4月10日に医院を現在地に移転し、新規オープンしました。早いもので1年たちました。振り返ると移転の時期を挟んだ2~5月の4か月間は、あれこれと不安が尽きず、私の人生で最も慌ただしい時期でした。診療そのものは夏以降に繁忙になったのですが、むしろ夏以降は軌道に乗り、心に余裕が出てきて趣味にも打ち込めるようになりました。この1年は、公私ともに最も充実しておりました。
移転して広い空間で仕事をすると、業務がスムーズに流れますし、プライベートな空間も広くとったので、心にもゆとりが出ます。心身のポテンシャルエネルギーが高まり、仕事もオフも益々楽しもうと意欲が湧いてきました。現時点では、時間、労力、コストをかけてでも、移転して良かったと考えております。
今後は診療内容をさらに充実させ、新しい治療法を積極的に取り入れて行きたいと思います。益々のご鞭撻、ご厚誼を何卒、よろしくお願い申し上げます。

2013-04-08

名古屋での学会

一昨日から2日間、名古屋にて日本臨床皮膚科医会臨床学術大会がありました。2日間に渡って日本列島で暴風雨が吹き荒れましたが、私の乗った新幹線は往復ともに定刻通りに運行していました。泊まったのは名古屋駅直通のマリオットアソシアホテルのコンシェルジェフロアで、滞在中はラウンジでのフリードリンク&ビュッフェ、フィットネスクラブが無料で利用できました。ここのプール、スパはリゾートの雰囲気があり快適で気に入ったので、夜と翌朝と2回も泳ぎました。名古屋での学会会場はいつもウエスティンナゴヤキャッスルなのですが、私はマリオットに泊まることにしています。
学会には昨日のみの参加でしたが、そのうちの印象的だったのを紹介します。
グラクソ・スミスクライン㈱共催のランチョンセミナー「Messeage from Expert Dermatologits皮膚科医の日常診療を考える」は、この学会ならではのテーマで面白かったです。「私が開業する理由/しない理由」という演題では、勤務医・開業医の先生たちへのアンケートの集計結果が示されていました。当ブログの読者が医療関係者のみならば詳細な報告をしたいところなのですが、そうではないので差し控えます。アンケートの声から私が共感した一部のみを抜粋します。

・自分は開業したが、後輩には必ずしも開業は勧めない。
・優秀な医師はなるべく勤務医を続けて頂き、できれば教授を目指してほしい。
・開業してから初めて従業員の管理、労務管理の大変さを思い知り、雑用にも振り回されている。
・専門医を取得して間もない若い医師が、美容皮膚科を標榜して開業するケースも見受けられるが、いかがなものか?
・病院勤務で科長や部長などのポストを経験してからの開業の方が望ましい。病診連携で紹介される側の立場も理解しやすい。
・common diseaseも満足に診られないような診療レベルでは、地域医療への貢献は甚だ不可能である。

私は個人的には、適切な時期に開業して良かったと思っていますが、おそらく勤務医でも仕事を楽しんでいたと思います。勤務医の先生方のご苦労はよく存じておりますが、辞めないで今の立場でずっと頑張って頂きたいと切に願います。

2013-04-06

名古屋へgo

只今、新幹線のぞみグリーン席から、スマホで更新中。名古屋での学会に参加します。暴風雨の中、新幹線は定刻通りに運航していて良かったです。今日はもう遅いので、明日から参加します。マリオットのクラブフロアに泊まって、プールで泳ぎます。というわけで、明日は休診にさせていただきます。o(*⌒―⌒*)o

2013-04-04

百花繚乱2013

昨日までの雨で桜は散り始めましたが、一方、当院の花壇では旬の花が咲き誇り、百花繚乱の様相を呈しております。1年間で今が最も旬かもしれません。仕事が終わって帰り際に、花壇の花を眺めていると心が和みます。見頃なので撮りました。

2013-04-03

運動で脳のアンチエイジング

先日の抗加齢医学会講習会の報告を続けます。九州大学健康科学センターの熊谷教授が「老いないための運動指導~健康への運動効果~」を講演されました。大変に興味深く示唆に富んだ内容でした。その一部を紹介します。
運動により、脳由来神経栄養因子brain-drived neutrophic factor(BDNF)が増加し、認知機能が向上する!

「運動した方がボケ予防になる」という一般概念に対して、エビデンスを提示されました。私は講演を拝聴して関心を持ちましたので、演者の先生の研究グループが執筆した論文をインターネットでダウンロードして全文を読みました。
脳由来神経栄養因子(BDNF)の役割と運動の影響 The role of brain-derived neurotrophic factor (BDNF)and the effects of exercise
野藤 悠,諏訪雅貴,佐々木 悠,熊谷秋三:健康科学 31;p49-59;2009-03-30

BDNFは、神経細胞の発生や成長、維持、修復に働き、さらに学習や記憶、情動、摂食、糖代謝などで重要な働きをする分泌タンパク質です。近年、このBDNFの発現量がうつ病、アルツハイマー病患者の脳(海馬や大脳皮質)で減少していることが確認されました。一方、運動が脳内のBDNFを増加させるとともに、学習や記憶のパフォーマンスを改善させることも動物実験により報告されています。またBDNFを脳室内あるいは腹腔内に投与すると、体重の増加が抑制され、糖代謝が改善されていることも報告されています。これらの成績は、運動がうつ病、肥満症や糖尿病の予防や改善に貢献しうることを示唆しています。
諸家の報告によると、運動(自転車エルゴメーター、ステップ運動、ハンドバイクなど)による海馬組織内BDNFへの影響については、2週間以上の長期トレーニングでは、海馬におけるBDNFのタンパク質およびmRNAともに発現が増加することで、成績は一致しています。

別の研究者の報告(University of Pittsburg:Kirk Erickson PhD,2011)では、認知症でない120人をエアロビクス群とストレッチ群に半数ずつ分け、1年間週に3回のペースで実践し、その後MRIで脳の海馬の容積を比較したところ、ストレッチ群では1.5%縮小したのに対して、エアロビクス群では2%増大していたそうです。海馬の容積は30歳代以降毎年1~2%減少し、アルツハイマー病ではその委縮が著明です。運動により海馬のBDNFが増加し、脳細胞が増えるのでは、と言われています。

いかがでしたか?脳のアンチエイジングのために、日常生活の中で少しでも運動をするようにしましょう。

2013-04-02

専門医認定書

本日、皮膚科専門医の新しい認定書が届きました。私が専門医を取得したのは平成元年12月15日で、認定番号3953でした。もうかれこれ24年以上前のことで、すでに4回更新しました。5年間で100単位の取得が更新の条件なのですが、年に1回20単位の総会出席のみで条件を満たしてしまうので、とてもユルイです。58歳以上(5年後ですが)では80単位のみに免除され、64歳以上では単位不要で書類提出のみで可となるようです。ボケない限りは、専門医の更新を続けていくことになるでしょう。否むしろボケないために、できるだけ多くの学会に参加して、知識を吸収して、学んだことをブログにアップしていきたいと考えています。
私は、クリニックの待合室に医師免許証や各種専門医認定書を飾るのは好きではないので、他人に見せたことがなく門外不出にしています。当ブログのみで初公開します。

2013-04-01

抗加齢と食事

昨日の講習会の中で、抗加齢と食事に関する話題の一部を紹介します。
1、Eat Less,Live more
加齢によって発現するが変化する遺伝子が46個発見されましたが、それらのほとんどがカロリー制限によって、その変化を抑えることができました。ほとんどの生物で摂取カロリーを制限した群が、通常食の群の平均寿命を上回りました。摂取カロリーを3割カットしたアカゲザルが対照群と比較し、見た目が若いのは有名な話です。

2、アメリカ国立癌研究所(NCI)によるがん予防効果のある食品(1群>2群>3群)
1群 ニンニク、キャベツ、大豆、ショウガ、ニンジン、セロリ
2群 タマネギ、お茶、ターメリック、玄米、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、トマト、ナス、ピーマン、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ
3群 マスクメロン、バジル、キュウリ、ローズマリー、ジャガイモ、大麦、ベリー

3、認知症予防のための食事
大豆製品、緑黄色野菜、淡色野菜、海藻類、乳製品、果物、芋類、魚、卵

4、タンパク質:脂質:糖質=15:25:60が適切なバランスと言われているが、十分な根拠はない。糖尿病患者でも同様のバランスが適切ではあるが、個人の嗜好を考慮して継続しやすい食事療法を求めるべき。

以上1~4の演者の先生は異なりますが、趣旨で重複する部分があります。バランスよく野菜と大豆製品を豊富に採り、カロリー控えめが推奨されます。私の食生活と一致したので安心しました。和食こそが、アンチエイジングに最適な食事です。日本の伝統食を見直すべきでしょう。