2013-03-04

ホクロの取り方

3月は卒業式シーズンです。入学試験や国家試験が終わり、あるいは合格発表も済み、晴れ晴れとした表情の患者さんが何人も来院されました。卒業式シーズンでは、当院の美容メニューの中で最も需要が多いのが、お顔のホクロ除去です。次いでピアシング(ピアスの穴開け)です。ちなみに美容治療の最も多い月は12月ですが、この時期にはQスイッチレーザーによるシミ取りと、ヒアルロン酸注入によるシワ取りが圧倒的に多いです。年末休みの前に他人に気付かれずにキレイになりたい、という要望が多いです。卒業式シーズンも同様の理由で、新しい環境に入る前に気付かれないように、以前から気になっていたホクロを取ってしまいたい、という方は多いです。
さて、ホクロを取る方法は二つあります。一つは手術です。局所麻酔後に紡錘形に切除して縫合し、20分くらいで終了します。ホクロの直径の約3倍の線状の瘢痕ができますが、約半年の経過でほとんど目立たなくなります。手術のメリットは、健康保険が利いて負担額の概算は9,000円以下です。確実に除去できて、病理組織検査もできます。
もう一つは、炭酸ガスレーザーによる治療です。局所麻酔してホクロの組織を蒸散し、3~5分で済みます。出血もほとんどしないため、まったく腫れません。翌日から洗顔も可能で、小さな病変ならば絆創膏も不要です。施術直後の創面はすり鉢状に軽く陥凹しておりますが、10日ほどで上皮化し徐々に平坦になります。瘢痕の赤味は3~6か月ほどで消失します。手術に比べ侵襲が少なくで簡単ですが、健康保険は利かず自費です。料金はクリニックにより規定され、大きさにもよります。7mm以下ならばキレイに仕上がりますが、それ以上では手術の方を勧めることもあります。

ホクロの除去に際に最も重要なことは、メラノーマや基底細胞癌などの悪性腫瘍を鑑別することです。たとえ小さな病変でも少しでも悪性の疑いがあれば、レーザーではなく手術をいたします。比較的ご年配の皮膚科の先生の中には、ホクロに対してレーザー治療は邪道であって、病理組織検査は必須である、と主張なさる方もいらっしゃいます。私もかつて勤務医の時にはそうでした。しかしながら実際にレーザー治療を行い仕上がりの美しさを目の当たりにし、宗旨替えをするにいたりました。皮膚科専門医の腕の振るいどころは、手術やレーザーの技術のみならず、臨床とダーマスコピーによる術前診断の確かさにあると考えます。

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