2012-05-19

御茶ノ水乾癬勉強会

今夜は、飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントにて、医科歯科大学皮膚科とノバルティスファーマ㈱主催の御茶ノ水乾癬勉強会がありました。
最初の演題は、自治医大の大槻先生による「生物学的製剤時代の乾癬の全身治療」です。シクロスポリンから生物学的製剤に切り替えた症例の提示、切り替え方の一工夫、さらに生物学的製剤3種類の臨床効果の特徴と使い分けなど、最新の知見を紹介して頂きました。私自身は開業医の立場ですので、生物学的製剤の使用経験はありません。外用療法をベースにして、①ナロウバンドUVBかエキシマ照射にチガソン内服併用療法、②シクロスポリン内服療法のいずれか行います。医療コストの安さのために、①を選択するケースが圧倒的に多いのですが、重症例でなおかつ高額医療を容認してくださる患者さんには、今後、生物学的製剤をお勧めしてみようと思います。乾癬の治療は日進月歩で進んでおりますので、治療の選択肢が広がり、患者さんのQOLは益々向上するでしょう。
次の演題は、福岡大学の今福先生による「疫学から考える乾癬」です。従来指摘されている通り、乾癬は肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病など、いわゆるメタボリック症候群との関連が強いです。最近は、C型肝炎との関連も指摘されているようです。脂肪細胞はTNF-αのような炎症性サイトカインを産生しますが、乾癬素因がある状態でTNF-αの血中濃度が上昇すると乾癬の発疹が発症しやすくなります。メタボリック症候群では、TNF-αが上昇した病態であるため、乾癬を「TNF-α病」である、と位置付けた演者の先生の卓見には感服しました。メタボと皮膚病をサイトカインで関連付けた研究は興味深いです。
また、日本では乾癬患者の男女比が2:1と圧倒的に男性が多いのに対して、欧米では、1:1だそうです。男女別で、乾癬の発症年齢と年齢別肥満率の折れ線グラフが見事に一致することを指摘されていました。そして、日本女性は閉経前においては、世界に類を見ないくらいに肥満が少ないがゆえに、乾癬の発症が抑えられているとのこと。欧米女性は、閉経前でも肥満率は男性と同様だそうです。
疫学的に、日本女性は世界一スリムであることが立証されているようですが、一方、日本男性は、ここ20年間でメタボ率が上昇しているそうです。同じ民族でも、男女間のメタボ格差が拡大中なのが、日本の特徴です。
日本の男性の方々!脱メタボを目指しましょう。やはり肥満は万病の元のようです。

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