2012-01-31

思い込みは誤診の元

昨夜は、柏市立柏病院で症例検討会がありました。病診連携を目的として、院内の医師と地域の開業医を対象に定期的に開催しているようです。私は1年前に初めて参加し、今回で2回目です。参加者は、院内の全科医師と柏市内の開業医の先生方で、我孫子からは私1人でした。
1年前のブログで「お勧めの病院」で紹介しましたが、ここの病院は規模は小さいながらも、医師の資質は高く優秀です。総合病院ではないのですが、全科とも東京医科歯科大学の医局から医師が来ています。院長とは20年来のお付き合いで、奥様とは本八幡のスポーツクラブでご一緒したことがあります。
さて、最後の演題は「思いがけない2症例」でした。この内の1例を紹介します。82歳、女性。都内の某一流大学附属病院皮膚科に入院の上、顔面のメラノーマ(悪性黒色腫)の手術と化学療法を受けましたが、退院直前より、認知機能の低下と異常な言動を認めました。術後の創部の経過は良好のため、柏市立柏病院神経内科に認知症疑いにて、紹介されました。紹介状の原本が供覧されていましたが、詳細な記述より丁寧な診療が伺えました。入院を契機に認知症が急に悪化することは、高齢者ではよくあることです。
ところが、初診時に脳のCTを撮ったところ、腫瘍性病変が認められ、メラノーマの脳転移であることが判明しました。治療の術もなく病変は急激に増大し、初診後2か月で亡くなったそうです。
メラノーマが脳転移しやすいことは、医学生でも知っている常識ではありますが、高齢者の入院=認知症の発症、という思い込みがあると、診断の妨げになります。
どんな優秀な医師でも誤診します。知識や経験不足からの誤診よりも、実際は思い込みによる誤診の方が圧倒的に多い、と演者の先生は言われていました。
その通りだと思いました。他人の失敗は、最大の教訓であります。忙しい外来診療の中で、思い込みを排除して正しい診断ができるよう心がけねば、と肝に銘じました。

2012-01-29

理想的な医師とは

昨夜は都内の会合に参加し、私が尊敬する先生より、ご友人の一人であられるバーナード・ラウン博士の言葉を紹介していただきました。先生は、博士とは平和と医学を巡って様々に語り合ってこられたそうです。
ラウン博士は、米国の心臓病学の権威で「核戦争防止国際医師会議」(IPPNW)の創設者です。IPPNWは、冷戦時代にラウン博士とソ連の医学者の2人によって創られ、1985年にはノーベル平和賞を受賞しました。
さて、「理想的な医師とは、いかなる存在か?」
ラウン博士いわく、「同じ人間として、患者の役に立つことを、何もにも代えがたい喜びと思う医師である。」と。そして高齢化が進む現代においては、「患者の全人格に向き合うケアが何よりも必要である。」とのことでした。
かくありたいものです。私は理想的な医師を目指し、日々、人格と人間力を磨くよう精進したいと思いました。

2012-01-27

皮膚疾患病診連携会

昨夜はクレストホテル柏で、皮膚疾患病診連携会がありました。慈恵医大柏病院皮膚科とエーザイ㈱、アボットジャパン㈱が主催で、地域の皮膚科開業医の先生方数人が参加しました。慈恵医大柏病院皮膚科は診療部長が昨年夏に交代し、新体制の元で地域連携を活性化させようと、このような催しを初めて試みたようです。
演題は2題で、「皮膚悪性腫瘍の診断・治療」と「乾癬治療における薬剤選択-生物学的製剤の使用経験」でした。皮膚癌、悪性黒色腫の手術をactiveにされていることが分かりました。
乾癬治療については、開業医から生物学的製剤目的で紹介された患者さんの症状が安定したら、将来的には逆紹介ができるような体制を作りたい、とのことでした。私は生物学的製剤に大変興味を持っているのですが、現行では開業医が使用することはできません。もし使用できるようになったら、当院に通院される乾癬患者さんのQOLを更に高めることができると期待します。
地域の基幹病院が、開業医を対象にこのような勉強会を開催するのは大いに価値があります。慈恵医大柏病院皮膚科の常勤医師数、外来患者数、入院患者数、年間手術件数などの数字を昨夜初めて知りました。病院の医師の顔が見えて、得意分野、専門分野が分かると患者さんを紹介しやすいです。懇親会では、不得意分野も率直に語ってくださったので、大変参考になりました。
開業医は、患者さんを適切な医療機関の適切な医師に紹介する義務がありますので、周辺基幹病院の医師の専門分野とactivityを知る必要があります。昨夜は、その意味で貴重な会となりました。

2012-01-25

初めてのヨガ

昨夜、スポーツクラブでヨガのレッスンに初めて参加しました。何の予備知識もなく、フラっとスタジオに入りました。マットの上で様々なポーズをとると、筋肉が伸展されて妙に気持ちがよいのです。筋肉への負荷をまったく感じず楽でした。緊張が緩和され眠くなりました。正直な所、寝そうになりました。「副交感神経が優位な状態」です。
私は人からマッサージを受けるのが苦手で、快感とは感じず、むしろ不快と苦痛を感じてしまいます。リラックスどころか不自然な緊張と疲労を残してしまうだけです。なので、お金を払ってまでマッサージを受ける気にはまったくなりません。
ところが、ヨガには交感神経の興奮を抑え、副交感神経を優位にし、リラクゼーション効果があることを実感しました。有酸素運動でも筋トレでもないので脂肪は燃焼せず、ダイエット効果があるとは思えませんが、ヨガは自律神経の調整をするには最適の健康法だと考えます。
ZUMBAやエアロビクスでは、交感神経の方が優位になり、β-エンドルフィンが分泌され多幸感と活力とパワーがみなぎってくるのとは、好対照です。(私はβ-エンドルフィンによる快感がたまらず、病みつきになってしまいました。)
就寝直前までPCに向かい仕事をすると、床についても頭が冴えて寝付けないことはよくありますよね。こんな時には、ヨガで熱した頭をクールダウンすると、よく眠れるのでは、と期待します。さらに、ヒーリングミュージックや香などのアロマも併用すると、リラクゼーション効果は高まると思います。
ストレス解消法の一つとして、お試しを。

2012-01-24

我孫子の雪景色

昨夜は関東地方で雪が降り、4~5cmほど積もりました。今朝は雪は止んだものの、路面がツルツルに凍結し、転倒しそうで危なかったです。こんな日はさすがに患者さんも来られないでしょう、と閑古鳥を予想しましたが、朝8時より何人か来院され、予想は覆されました。しかも比較的ご高齢の方々が早くから来院されているのには、敬意を抱きます。どうか、お気をつけてお帰りください、と無事に帰宅されることを祈るような気持ちになりました。今日は比較的すいていたので、初診で来院された方に、シミのレーザー治療もできました。患者さん方は、こんな日は当院受診の狙い目であることをご存知であり、賢いです。
今朝7時30分の我孫子駅前の風景です。ロータリー中央のケヤキに、あたかも白い花が咲いているように見えました。手前は桜の木です。左後方のビルの左には富士山がきれいに見えたのですが、写真では見えません。春には移転しますので、こんな雪景色も今年が見納めです。

2012-01-23

喫煙率を半減させる

厚生労働省が2013年度から22年度までの次期健康づくり計画に、成人の喫煙率の数値目標を明記する方針を決めました。10%台前半で調整しており、09年の23.4%(国民健康・栄養調査)と比べると、半分に近い値となる見通しです。併せて今後5年間の次期がん対策推進基本計画にも目標値を盛り込む方針だそうです。習慣的に喫煙している成人のうち、「やめたい」と思っている全員が禁煙した状態の喫煙率を目標値としています。09年に約35%だったやめたい人の割合は、10年はたばこの大幅値上げの影響で4割近くに達する見通しです。
国は、たばこの健康被害を防ぐための国際条約に従い、全面禁煙か喫煙室以外を禁煙とする事業所の割合を現在の64%から100%にすることを目指しています。たばこのさらなる値上げや公の場や職場での禁煙の法制化、たばこの広告規制や禁煙補助剤の保険適用の拡大なども検討される可能性もあります。
喫煙が、健康被害に及ぼす影響は議論の余地がありません。「わかっちゃいるけれどやめられない。」依存症の方は、意思のみで禁煙は不可能で医療の介入が必要です。
私は、健康保険の保険料が喫煙者も非喫煙者も同額なのは不公平と考えます。理想ですが、タバコ購入時に健康保険証提示し、オンライン端末より購入実績を入力し、前年度の喫煙量に基づいて翌年の保険料を定める、というのが合理的と考えます。喫煙量に応じて保険料は値上げし、禁煙できたら値下げします。高額な保険料という痛みがあれば、禁煙にも精が出ます。
医療資源に公的財源が導入されている以上、健康被害の根源である喫煙に国家が介入して当然のことです。
喫煙は健康被害のみならず、肌の美容にも悪影響があります。タバコの煙に含まれるニコチンは、皮膚に栄養を供給する毛細血管を収縮させるので、肌の乾燥が進んで、皮膚に細かいシワが出来やすくなります。ニコチンはビタミンCを壊すので、シミが出来やすく消えにくくなります。喫煙によって生じる大量の活性酸素が、皮膚のコラーゲンの合成を阻害してしまうと、張りのないシワの多い喫煙者独特の風貌「スモーカーズフェイス」になってしまいます。美肌を目指すならば、喫煙も受動喫煙も絶対に避けるべきです。
国が国民の健康ために禁煙対策に真剣に取り組むのは、大いに評価します。以下は厚労省のHPです。
http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/main.html

2012-01-21

実年齢マイナス?

乾燥注意報も35日で終焉し、昨日から雨が降りました。我孫子でも一時雪でした。今朝はこの寒さの中、午前中のみで100人の患者さんが来院されました。寒い中、本当にご苦労さまです。頭が下がります。
さて、今日は体内年齢の話題です。私は昨年10月にタニタの体組成計を購入しました。体内年齢は筋肉量と基礎代謝が高く、体脂肪率が低いほど若く表示されます。10月6日のブログにも記しましたが、これで体内年齢を測ったら26歳と表示されました。本当??と思いながらも毎日気分良く使っておりましたが、ある日突然、27歳と表示され、その日以来ずっと27歳のままで二度と26歳には戻りませんでした。
ある日とは、私の誕生日である12月17日です。この前後で他の計測値の変動はありません。体重は43~44kg、体脂肪率は14~15%で一定です。筋肉量も基礎代謝も落ちてはいません。にもかかわらず、実年齢が1歳上がると同時に体内年齢も1歳引き上がったのは何故かしら?おそらく体組成計に誕生日などの個人情報を登録済みでしたので、体内年齢は実年齢マイナス25歳をマックスになるように設定されているのでは、と推測します。
実年齢52歳で体内年齢27歳ならば、もし75歳で現在の体型が維持されていたら体内年齢は50歳になるのでしょう。後期高齢者ながら、現役でバリバリ働いているかもしれません。
しかしいくらなんでも、このカラダが27歳とはお世辞にも程があり、信憑性を欠くため、もっと信頼度の高い方法はないのかしら?と検索したところ、ありました。以下のサイトです。「皮膚年齢」「骨年齢」「筋肉年齢」「心臓・血管年齢」「脳・精神年齢」の5項目に渡って、yesかnoで質問に答えます。すると各項目ごとに年齢が出ます。ちなみに私は5項目で平均すると47歳でしたので、「実年齢マイナス5歳なら、まあそんなところね。」と納得しました。ご興味のある方、セルフチェックをしてみてください。
http://www.mon-age.com/SAC/sactop.php

2012-01-19

乾燥注意報35日目

本日で乾燥注意報が35日も続き、歴代3位を記録しました。家の中も外もカラカラです。
静電気によるパソコンの故障も、修理店によると通常の1割から2割多いそうです。UBSメモリーなどをパソコン本体に差し込む際に、指から数千ボルトの静電気がパソコン内に流れ基板がショートするのが原因だそうです。指の静電気でパソコンがショートするとは驚きです。
気道粘膜の乾燥により、気管支炎やウイルス感染を起こしやすくなります。マスクをして気道の湿度を逃がさない工夫も必要です。
多くの方が皮膚の乾燥を自覚されていると思います。当院にも連日、皮膚の乾燥による症状で多くの患者さんが来院されています。もともとアトピー性皮膚炎があり乾燥により急に悪化した患者さん、ご高齢で皮脂欠乏性湿疹が毎年発症するものの今年は特に症状がひどい患者さん、服から露出している顔と手の甲が乾燥で赤切れ状態の患者さん、水仕事の多い主婦の方で手に薬を塗って手袋をしてもヒビ割れが中々塞がらない患者さん、唇を舐める癖のあるお子さんで口の周りが真っ赤にただれている患者さん、足の踵が鏡餅状態でヒビ割れがひどくて痛くて歩けない患者さん・・・
東京の冬の湿度がここ数十年間で年々低下している背景もあり、冬の皮膚科外来は決してヒマではありません。20年以上前は、冬の患者数は夏の半分くらいでしたが、近年では夏と冬とで患者数に大きな差がなくなりつつあります。というのが私の印象です。
薬局の店頭では各種の保湿剤が販売されています。乾燥の気になるところに入浴後に塗るのが効果的です。皮膚科では、患者さんの症状に応じて保湿剤を数種類処方します。
「痛くも痒くもないんだけれど、ただの乾燥だけで皮膚科にかかってもよいのかしら?」
どうぞ、お気軽にご相談ください。

2012-01-17

エステ・美容医療でのトラブル

本日の朝日新聞朝刊の記事より
内閣府消費者委員会の調査によると、エステと美容医療で安全面や契約をめぐってトラブルが問題となり、消費生活センターに年間500~700件の相談があるそうです。
・レーザー脱毛やアートメークは医療機関で行われるべきものですが、無資格者が施術している例
・医療法で禁止されている、施術前後の比較写真を広告に掲載した例(現行ではHPならOK)
などもあったそうです。上記の例はよく見られますが、違法であるという認識が国民には乏しいように思います。
本日は、某メーカーさんの説明会で、お弁当を頂きました。ご馳走さまでした。

2012-01-15

ベリーダンス・コスプレ

昨年ネット購入したベリーダンス衣装を着てみました。お気に入りなのですが着る機会がないので、普段は押し入れにしまい込んだままです。本日、自宅で写真を撮りました。
テブレ気味ですが、腹直筋にご注目。昨年は鍛えました。
明るいリビングで撮ったほうが映りが良いです。
叶姉妹ではありませんし、家では普段こんな恰好は絶対にしません。(外でももちろんしませんが。)
唯一、スポーツクラブでのZUMBAレッスンの時に着て行きましたが、いい加減この年(52歳)になると気恥ずかしさも出てきて、着おさめにしようかと思います。
年末年始にかけてアンチ・ダイエットな生活をした上に、運動不足気味です。今日はこれから久しぶりにレッスンを受けに行きます。

2012-01-13

表皮内癌の塗り薬

昨夜は、クレストホテル柏で東葛皮膚臨床懇話会がありました。持田製薬㈱が共催で、ベセルナクリームのお話でした。従来、HPV感染の尖圭コンジローマに適応があったベセルナクリームが、先月より日光角化症にも適応が追加されました。日光角化症は、顔などの露光部に生じる表皮内癌です。シミによく似たカサカサした紅斑です。ヒリヒリすることもあります。露光する習慣のあった70歳以上の高齢者によく見られます。異型細胞が表皮内に限局していますので、きちんと切除すれば、転移することはありません。悪性ながら、たちの良い腫瘍です。決して稀ではないので、私は年間に10~15件手術をしております。病理組織標本では、稀ながら一部真皮内に浸潤し、皮膚癌を併発していることもあります。(メスを持つ医師は病理を読むスキルも必要です。切りっぱなしはNGです。)
従来では、日光角化症の治療は手術が基本でした。液体窒素療法やピーリングでは、再発の可能性大です。ただし患者さんの中には、ご高齢で手術を望まなかったり、顔面の広範囲に多発しているため手術が困難な症例もあります。このような場合には、ベセルナクリームがよい適応になります。ただし、外用部位が糜爛しジュクジュク炎症を伴いますので、患者さんへの説明と理解が重要です。週に3回の外用を4週間連続で行い1クール目終了、4週間の休薬後に必要があれば2クール目を追加します。尖圭コンジローマの16週間連続使用とは用法が異なります。
私はどちらかといえば、手術の方が好きです。ただし、病変が多発していたり、周囲が毛細血管拡張のため境界が不明瞭のこともあり、その場合は部分切除にとどまってしまうこともあります。病理組織で切除範囲を確認後、残存病変があれば、術後にベセルナクリームを併用することもできます。また日光角化症は1か所できれば、その後に他部位にも新生してくるのが常です。なので、1回目は手術で病理組織を確認し、2回目以降は外用療法を行うこともできます。
今後ますます高齢者の方が増え、日光角化症の症例も増加すると予想しますが、治療の選択肢が増えたことは喜ばしいことです。

2012-01-12

電子カルテの乗り換え

昨日、某電子カルテメーカーの営業の方が訪問されました。まったくの初対面ですが、当院のHPやブログなどはご覧になっていたようです。デモ機を見せて頂きましたが、ちょっと閲覧しただけで、商品の価値は分かりました。現行の電子カルテにはない多くの機能が搭載され、デザインやレイアウトも優れていました。私はたった3分間で、「この電子カルテを使ってみたい。」という気持ちに傾きました。2時間ほど説明を聞き、カルテの乗り換えをほぼ決めました。
今までも何度か、電子カルテの乗り換えを考えましたが、直後の煩雑さを考えると、そんな苦労をしてまで変えるほどのことではない、と見送ってきました。今回も金額的には、決して安くはなく、現行の初期費用の2倍はかかるようです。データの移行は、患者さんの保険証情報と住所電話番号のみが可能ですので、乗り換え直後の診療中には、2種のカルテを同時に開く必要があります。
自分の年齢を考えると、移転計画も含め今年が最後のチャンスかとも思いました。時期的には移転して、少し落ち着いた頃が妥当のように考えています。電子カルテは日進月歩で、10年後には更に進化しているはずです。そうそう乗り換えるものではないだけに、最初で最後の試みになります。
同業の先生方で、電子カルテを乗り換えられたご経験のある方、コメントを下さるとありがたいです。

2012-01-09

成人の日に思う

今日は成人の日です。街中では、朝から振袖姿の新成人の姿が見られました。今年は我が家では新成人はいませんが、新成人たちに祝福と励ましのエールを送りたいと思います。
新成人が生まれたのは平成3年で、日本のバブルがはじけた直後でした。なので、彼らにとって生まれた時が日本経済の景気がまだ良い時で、この20年間は右肩下がりだったところに、リーマンショック、大震災、欧州危機が追い打ちをかけました。現在大学2年生で、秋以降には就活を始める方が多いとは思いますが、3年生、4年生の先輩も苦戦中です。今まで学んできた結果を何とか生かしたい、と誰もが必死です。
日本の政治と経済が抱える問題は、あまりにも多すぎで、厳しい財政状況の中での優先順位の付け方は難しいです。私は、喫緊の課題は若者の雇用対策だと考えます。医療・福祉などの社会保障の充実や復興ももちろん重要ではありますが、何にも増して優先されるべきは、若者の雇用の安定です。努力が報われ、若者が希望を持てる社会であってほしい、と切に望みます。
私は昭和34年生まれです。映画「三丁目の夕日」の時代でしたので、今は貧しくても頑張れば、明るく豊かな未来が待っている、と信じて生きてきました。努力は必ず報われる、と信じることができた幸せな時代に生まれ育ちました。今は試練の時でも、頑張れば道は必ず開けるという展望を若者が持てる社会を、老いた大人たちは作り上げねばならない、と考えます。
TVのニュースでは、各地の成人式の様子が報道されていましたが、見かけは茶髪長髪の今時風であっても、語る抱負は、非常にしっかりした内容で頼もしく感じました。
「近頃の若者は・・・」の枕詞の後には、決まって説教じみた文句が続くのが常ですが、最後に一言。
「近頃の若者は頼もしい。君達がいれば日本の将来は大丈夫。老いた大人は君達が活躍できる場を頑張って作ります。どうか、日本の将来をよろしく。」

2012-01-07

レセプトオンライン請求普及率

今週は、各医療機関でレセプト請求の事務作業をしております。当院では5日にすでにオンライ請求が済みました。先刻、久しぶりに社会保険支払基金のサイトを見ましたら、医療機関の電子請求普及率を医科、歯科、調剤別に年度毎にグラフ化されたデータが掲載されていました。私が驚いたのは、昨年11月末現在で医科の全レセプト件数でのオンライン請求が、いまだに60.9%である点でした。FDなどの電子媒体は34.1%、紙レセプトは5%です。ちなみに医科の医療機関数単位では、オンラインが46.5%、電子媒体が35.9%、紙レセプトは17.6%です。全医療機関でオンライン請求をしているのは半数にも満たないのです。
平成22年度から65歳未満の保険医は電子請求が義務化されましたが、これが決定する際に、一部の医師の団体が「オンライン請求反対!」と声高に叫び、電子媒体でも認められるようになりました。いずれ、電子媒体からオンラインに徐々に移行するであろうと予測したのですが、制度が変わって1年半の時点で6割止まりとは、予想外に遅い印象があります。
ちなみに私の医院では平成16年よりFDによる電子請求、平成19年よりISDNによるオンライン請求、平成20年よりBフレッツのIP-VPNによるオンライン請求をしております。オンライン請求の安全性、確実性、経済性を体験したら、2度とFDの電子請求や紙レセプトには戻れません。以前にFDを宅急便で送ったところ、〆切当日に先方よりFDのファイルが壊れて読みとれない、との電話連絡があり、慌てたことがありました。私は、オンライン請求に反対される一部の先生方の意図が最後まで理解できませんでした。
ここ数年新規に開業される先生方は、大多数が電子カルテにオンライン請求ですが、古くから開業されている先生方にとって、オンライン請求は、やはり敷居が高く感じるものなのでしょうか。
産業界において、日本の医療界のIT化は最も遅れている分野の一つであると思います。
私は、将来的には電子カルテをクラウド上で管理し、院外の医療機関と情報を共有できれば理想的と考えますが、障害物があまりにも多く、残念ながら私が医師として現役で働く間には実現不可能でしょう。医療クラウドの標準化は50年以上先でしょう。

2012-01-06

HPの更新

正月休みに医院のHPの更新をしました。開業して1年半たった2004年3月に、私が自力で作りアップして以来、たまにリフォームしながらもURLはそのままです。いつかはプロに依頼して見栄えの良いものにしたい、と思いながらも、つい億劫になり、結局自分で更新を続けています。HPの作成方法は、誰からも教えてもらう機会もなく、試行錯誤の結果ですので稚拙です。1年前の正月に、トップページを現在の形式にしました。
当院のHPはフレーム(見出しページ)付きです。見出しがあった方が、他のページに移動しやすいのでは、との考えがあったのですが、実はこのフレームがあると、更新するときに手間がかかります。リンクさせるページのターゲットを正しく指定しなければ、右ページに表示されず、左ページに表示されてしまいます。トップページを更新するときには、片面と両面の2回分ページ転送が必要です。
HP作成の基本中の基本ですが、画像とファイル名は半角英数文字でなければいけません。私は先日うっかり、すべてのファイル名を適当に変えてしまったところ、すべてのページがトップページのリンクから外れ、さらにアップもできなくなりました。正月早々青ざめて自力で復旧しました。一番重要なトップページのファイル名をindexに戻したのに復旧できなかたのには焦りましたが、やはりフレームの場合には、左右のページのファイル名も元に戻さなければいけません。これも試行錯誤で解決しました。
たまにしか更新をしないと重要事項を忘れてしまい、問題が生じると試行錯誤の末、何とか解決しますが、いつまでできるのか疑問です。私のような素人がHPの運営を続けるのは、時間とエネルギーを要しますが、一方、ワザを覚える楽しさもあります。自宅のPCで更新していますので、緊急時には重要なお知らせをすぐに書き込むこともできます。昨年の計画停電の騒動のときには、前日の夕方に診療時間の変更のお知らせを書きました。業者を介さないので、すぐに対応ができます。
当分の間、稚拙ながらも自作のHPで行ってみます。秋以降に、手すきになったらリニューアルしてみます。

2012-01-05

低温やけどにご注意

昨日より診療を開始し今日で2日目です。休診明けなので混んでいるのは当然なのですが、この2日間で低温やけどの患者さんが、いつになく多かったです。「年末に湯たんぽでやけどし、大したことないと思ったが、中々治らない。」と言う方がほとんどです。節電ブームで、エコな暖房器具が注目されている背景があります。
湯たんぽによる低温やけどは甘く見てはいけません。100度に沸騰した熱湯をかけて、直後に冷水で冷やした場合には真皮浅層までの熱傷2度で、感染を合併しなければ2週間で治癒し、瘢痕は残りません。低温やけどは、これよりたちが悪く、真皮深層までの熱傷2度かあるいは皮下組織までの3度にいたることも多いです。
やけどは「時間×温度」の関係で発症し、おおよそ次のとおりです。
●44℃では3時間から4時間
●46℃では30分から1時間
●50℃では2分から3分  (出典:山田幸生、「製品と安全第72号」低温やけどについて)

露出した湯たんぽが皮膚に直接触れ、一晩たてば、深部まで焼けて当然です。魚をグリルで焼くときも、強火で短時間で焼いても表面しか焼けませんが、弱火でじっくり火を通すと中まで焼けます。
低温やけどは、たとえ受傷面積が小さくても皮膚科を受診しましょう。受傷直後に正確に深度を判定するのは困難なのですが、数日で創面の色調が変化し損傷の深さが判定できます。専門医は、損傷の深さ、壊死組織の付着、肉芽組織の増生などの所見によって、外用剤を使い分けます。壊死組織を外科的にデブリードマンすることもあります。
将来瘢痕を残すかは、2週間で判定できます。一般的に、真皮浅層までの場合は2週間で上皮化し、瘢痕は残しません。この時点で治癒しなかった部位は、瘢痕を残す可能性が高いです。皮下組織までの場合は1カ月以上、ときに3カ月かかることもあります。この場合、傷がケロイドのように肥厚することもあります。

以下は、ある湯たんぽメーカーの使用上の注意からです。
○布団から出して使用する
布団が暖まったら、ゆたんぽを布団から取り出して就寝すると、低温やけどの危険性はありません。このような使い方をおすすめします。
○一定時間ごとにゆたんぽの位置を変える
保護者や介護者など周囲の方がいる場合は、身体の同じ部位に触れ続けないよう、時々ゆたんぽの位置を変えてあげてください。
○厚手のタオルや布で包む
必ずしも低温やけどの防止には効果がありませんが、附属や市販しているゆたんぽカバーを使用し、その上から厚手のバスタオルや布で包むと、表面温度が下がるため、低温やけどを生じるまでの時間は長くなります。

湯たんぽ以外にも、「ホットカーペットの上やファンヒーターの前で居眠りした 。」「ノートパソコンに顔を付けて居眠りした。」など、熱を発生する家電を使用中の居眠りには、くれぐれもご注意ください。

2012-01-03

謹賀新年2012

あけましておめでとうございます。本日でブログ開設1周年を迎えました。
今年は元旦早々に震度4の地震がありましたが、日本と世界が平和と安穏であってほしい、と切に願います。そして応援してくださる読者の方々の、ご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
さて大晦日からは私はどこにも行かず、家で過ごしました。大学3年生の長女が冬休みで帰省中だったので、毎晩ワインを飲みながら歓談していました。病理学、微生物学などの基礎医学を履修したので、私とも会話が弾みました。現時点で試験はすべてパスしているとのことで、親としては安心しました。
飲酒量が増えた上に3日間引きこもったので、運動不足を自覚し、本日はスポーツクラブに行きました。今日はアフリカン・ダンスのレッスンを受けました。まったく初めてでしたが、とても楽しかったです。アフリカの赤茶けた大地と照りつく太陽をイメージして、太鼓のリズムに乗って自由に踊ります。私の感性にピッタリ合いました。ちなみに単純な動きながらも運動量はそれなりにあり、汗をかきます。
6日間の年末年始の休暇は、あっという間でしたが、リフレッシュできました。さあ、明日から仕事が始まります。本年もよろしくお願いいたします。