2011-10-26

ヒアルロン酸vsコラーゲン

若返りの治療の中で、最も即効性があるのは、シワに対してのフィラー(充填剤)の注入療法です。数あるフィラーの中で、ヒアルロン酸とコラーゲンが最も繁用されており、最近ではハイドロキシアパタイト、自己脂肪、多血小板血漿(PRP)も用いられます。このうち、当院ではヒアルロン酸のみを使用しています。たまに、患者さんから「コラーゲンは使わないのですか?」とのご質問を受けることがあります。本日はそれにお答えします。
当院ではコラーゲンの注入は行っておりません。理由は、現在入手しうるコラーゲン製剤はウシ由来であり、異種タンパクに対してアレルギー反応を起こす可能性があるからです。予め前腕に皮内テストを行い4週間以上観察する必要がありますが、約3%の頻度で陽性です。恐ろしいのは皮内テストが陰性でも、注入部位にアレルギー反応が出る頻度が1%だそうです。
3年以上前にコラーゲン製剤を購入し、私、夫、スタッフの3人に前腕にテストしてみました。すると、私だけが陽性で、3cm以上の紅斑、浮腫局面を生じ、次いでクルミ大の赤い結節を残しました。一見、結節性紅斑かサルコイドーシスのようでした。なかなか消えず1年半かかりましたが、懲りました。自分の腕だったから良かったものの、これが患者さんだったらと思うとぞっとしました。コラーゲンは採用するまい、と決めました。
コラーゲンの長所は、仕上がりが自然なので、目の周りに注入しても凹凸になりにくいです。コストも安価なので、施術料も抑えられるとは思いました。約半年持ちます。
一方のヒアルロン酸はムコ多糖類で、アレルギー反応を起こすことはあり得ないのですが、添加物により、ごく稀に起こすこともあるそうです。皮内テストは不要です。架橋の強い製剤を薄い皮膚に注入すると凹凸になります。目の周りなどは、架橋の弱い製剤を微量ずつ慎重に注入します。後日の修正も可能です。凹凸部位の近傍に追加注入して平坦にするか、あるいは、ヒアルロニダーゼ(分解酵素)を注射すれば、翌日には消えてしまいます。注入部位は、1年半~2年持ちます。
最近流行りのハイドロキシアパタイトは、学会のハンズオンセミナーで度々聴講します。隆鼻には最適で、綺麗に持ち上がります。しかしながら、当院では隆鼻の要望はなく、1本のヒアルロン酸を顔中の小皺にちょっとずつ注入、との要望の方が圧倒的ですので、専ら、ヒアルロン酸のみを用いております。

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