2011-06-02

私が皮膚科医になった訳

私が皮膚科医になって、26年たちました。私は今の仕事が大好きですし、日々、仕事を楽しんでおります。天職につけたことに感謝しています。今更ながら、皮膚科を選んだ訳を書きます。
幼児期より病弱で学校も休みがち、学業成績も芳しくなく、数学が致命的にできない私でしたが、医師志望の気持ちを抑えられず、共通一次試験の高得点を引っ提げて、奇跡的に医学部に合格しました。大学に入学してから、これも奇跡のように健康になり、「普通の人の生活」を送るようになりました。運動をしたことがなかっため太っていましたし、恥ずかしながら大学生になって初めて自転車が乗れるようになりました。
大学時代は、教養課程で数学と物理で苦しみましたが、医学専門課程では、基礎医学で少々苦労したものの、臨床医学は興味を持って学ぶことができました。医学部6年生の時に、ポリクリという各科ごとの病棟実習がありました。最も印象があり、面白かったのは皮膚科だったのです。当時、麻上千鳥先生が女性として初めて国立大学臨床系の教授に着任したばかりで、バリバリに張り切っていらっしゃいました。当時、年齢的には今の私ぐらいで、皮膚科医として脂が乗り切ってパワーとオーラで輝いていました。麻上教授の講義を聴くにつれ、皮膚科の魅力に取りつかれました。
さらに麻上教授は、家庭を持ち子育てをしながらも、仕事では一歩も引かず見事に両立されていて、理想のモデルケースでした。
前述したように、私は数学が苦手です。計算も論理的な思考も苦手です。ただし数学の中でも幾何学だけは得意でした。一目図を見て、直感が働いて答えを出すのはなぜかできたのです。1秒でひらめかないものは、1~2時間考えても無理です。発疹も一目診れば大方、診断できる、というのは魅力でした。一瞬のヒラメキと直感で瞬時に答えを出す、というのは私にピッタリでした。
更に私は、あまり気が長くありません。自分の出した診断が正しいかどうか、答えを早く知りたいです。皮膚症状は患者さんからも良く見えるため、診断と治療が正しいかどうかは、患者さんにもわかります。自分も患者さんもお互いに納得ができると思いました。
以上が学生時代に漠然と考えた皮膚科志望の理由です。
26年経った現在、その選択は正しかったと今でも思います。さらに追加すると、皮膚科学は奥が深いし、直感を磨くためには経験の蓄積が必要です。皮膚科学の診断と治療は進歩しており、日々、弛まず研鑽する必要があると、痛感しています。まだまだ修行の道中にある身であることを自覚し、日々精進して参りたいと思います。
(麻上先生とは、昨年の宇部での乾癬学会でお会いしました。いつもながらオシャレで、華やかな原色の服がお似合いで、お元気でした。今年は下関の美容皮膚科学会でお会いできるのを楽しみしています。)

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