2011-04-05

薬剤情報は必須

医療機関にかかるとき、保険証と使用中の薬剤の情報は必須です。当院では初めて受診される方には問診票を記入していただきますが、薬剤の欄に記入されない方もいらっしゃいます。薬局が発行するお薬手帳を持参されると助かります。薬剤情報が必要な理由は、

1、飲み合わせの問題:皮膚科ではある種の抗真菌剤が他剤と併用禁忌のことがあります。
2、薬疹を疑った場合:どの薬剤をいつからいつまで内服していたかが分かると、原因薬剤確定の手がかりになります。
3、他科の薬剤と同系統の薬剤が重複されるリスク:花粉症の薬は皮膚の痒み止めでもあります。他院で花粉症の投薬が既にある場合、重複しないよう注意が必要です。
4、皮膚疾患で既に他院で治療中にも関わらず症状が改善しない場合、なおさら治療内容は重要な情報です。医師を変えるときには、新しい医師に正直に情報を伝えてくださると、より適切な治療が受けられます。
5、抗血栓剤(血液をサラサラにする薬)内服の場合、手術やヒアルロン酸注射はできません。計画的に一時的に内服を中止していただきます。薬剤によりますが3~7日ほどです。抗血栓剤内服中に手術をすると術中の止血が困難です。止血できたつもりで縫合しても、中でジワジワ出血が続き、皮下血腫を形成してしまいます。ヒアルロン酸注入時も同様です。美しくなりたくて治療を受けた方が、翌日殴られたかのように顔が腫れてボコボコにコブができてしまいます。2週間以上かかって治癒しますが、この間お互いに気が気ではありません。
6、精神科や心療内科からの投薬を隠される方がたまにいらしゃいますが、良好なコミュニケーションを築くためにも是非とも必要な情報です。

以上が主な理由です。投薬内容が不明な場合は、受診されてもあえて治療はせず、日を改めて薬剤情報を持参の上、再診するよう指示することもあります。
個人情報保護法により、他の医療機関に患者さんの病名や治療内容を電話で尋ねることは違法です。現在レセプトオンライン化も普及しており、技術的には他の医療機関のレセプト内容を閲覧することは可能なはずです。しかしながら、そのような動きは一向にありません。なので、現時点での対策としては、患者さん自身が薬剤情報を正確に医師に伝えるように啓蒙するしか方法がないかもしれません。

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