2011-02-28

エキシマ光線治療セミナー

昨日は、都市センターホテルにてJMEC主催の光線治療セミナーがありました。ターゲット型エキシマライトVTRACによる紫外線治療の講演でした。私は診療後に駆け付けたので、後半から聴講しました。講演で印象的だった部分を引用します。
①順天堂練馬病院の大月先生「円形脱毛症に対して、エキシマライト照射が有効である。ステロイド局注と同等の効果があると評価しているが、現行のガイドラインでは局注が最も推奨度が高くBである。一方PUVA療法はC1であるが、エキシマライト照射療法はガイドラインに入っていない。保険適応もないため、アトピー性皮膚炎に併発した円形脱毛症に限って使用している。」
エキシマ照射ならば痛くもなく副作用もないので、小児のアトピー性皮膚炎に生じた円形脱毛症に対して、試みてみる価値はあると考えました。
②東京慈恵医大の伊藤先生「現行のエキシマ機種3種の照度を比較した。一定の条件下での測定でVTRACは150mW/cm2,エキシライト-マイクロは50mW/cm2、セラビームは20mW/cm2。照射量=照度×時間(秒)なので、たとえば、VTRACならば1秒照射で済むものが、エキシライトならば3秒、セラビームならば7.5秒かかる。照射箇所が増えるほど、トータルの治療所要時間は差が付いてしまう。」
尋常性白斑の症例写真も供覧されましたが、著効例のみならず無効例もきちんと提示され、公平な立場で論じられ、ユーザーとしては大変参考になりました。

会場内は、皮膚科の先生が多数見えて大盛況でした。顔馴染みの先生数人にもお会いしました。おそらく、VTRACのユーザーは益々増えて行くでしょう。

2011-02-27

ニューオータニほり川にて

本日は、都市センターホテルにてあるセミナーがあり、その後、2人の妹たちと一緒に夕食をとりました。場所は、紀尾井町のホテルニューオータニ内の日本料理ほり川です。私は3姉妹の長女で、妹2人はそれぞれ都内に住んでいます。3人とも多忙を極める生活をしており、3人が揃って顔を合わすのは、2年前の両親の金婚式以来です。3人だけで会ったのは成人して初めてかもしれません。話題は、両親の介護です。姉妹3人とも共通の価値観と認識を持っているため、段取りがスムーズです。各人の役割分担も手早く決まりました。お互いに忙しい人間なので、話が早いです。子供のころはあまり感じなかったのですが、成人してからは、同性の兄弟、姉妹の存在はありがたいです。自分一人で抱え込まないで、姉妹で分かち合うことができるのは助かります。今更ながら、3人を生み育ててくれた親に感謝です。

2011-02-26

古典がマイブーム

私が高校生の時、最も好きだった科目は国語でした。文系の科目の方が好きで、数学は大の苦手、物理に至っては壊滅的にできませんでした。授業で楽しいのは国語と英語、他は聞いてもよく理解できませんでした。5教科の成績は、学年で真ん中位でした。受験対策で数学の演習問題を解く時間のために、大好きな国語の勉強するのを我慢していました。文学作品を読みたいという欲求を封印し、ずっと忙しい人生を走り続け、ふと気が付くと50歳を過ぎていました。
このブログを書くようになってから、日記文学をインターネットで閲覧するようになりました。今、私が最もはまっているのは、「更級日記」です。あまりに有名なのですが簡単に紹介しますと、作者は菅原孝標(すがわらのたかすえ)の女(むすめ)。父の孝標は菅原道真の子孫、兄・定義は大学頭・文章博士、母の姉は『蜻蛉日記』の作者(藤原道綱の母)という文学的環境で成長しました。私が最も好きなのは、教科書にも教材として引用される有名な以下の部分です。現代訳で抜粋します。


『源氏物語』を、最初の巻から読み始めて、だれにもじゃまされず几帳の中に横になり、次々に読んでいく気持ちは、后の位も問題にならないほどだ。昼は一日中、夜は目が覚めている間じゅう、灯を近くにともして、これを読む以外何もしないで過ごしているので、しぜんに頭の中にそらでも文句が浮かんでくるようになったのをうれしく思っていると、夢の中に清浄な感じの僧侶が黄色い地の袈裟を着て出てきて、「法華経の五の巻を早く習いなさい」と言った夢を見た。しかし、これを誰にも話さず、法華経を習おうという気持ちになれない。物語のことで頭がいっぱいで、私は今はまだ器量はよくない、でも年ごろになったら顔立ちも限りなくよくなり、髪もすばらしく長く伸びるに違いなく、きっと光源氏に愛された夕顔、宇治の大将の恋人の浮舟の女君のようになるはずだわ、と思っていた私の心は、何とも他愛なく、とてもあきれ果てたものだった。


まさに、元祖「腐女子」です。千年前のヲタクです。平成の腐女子が、部屋に引きこもり、コミックやネットにふけっているのとまったく同じです。「后の位も何にかはせむ」と原文にありますが、至福の時間に比べたら、金も名誉も色あせる、といった心境でしょう。「法華経よりも源氏」とは正直です。いつか年ごろになったら、源氏の思われ人のような美女になれると信じていた乙女心を、52歳の作者は「まづいとはかなく、あさまし」とばっさり切っています。
更級日記はリアルタイムのブログではなく、丁度今の私くらいの年齢の作者が13歳から現在に至るまでを振り返った回想録です。過去の自分を客観的に評している、その視線が面白いです。
私の古典ブームは続きそうです。

2011-02-25

嵐の前の静けさ

今週は、来院される患者さんが少なく、ここ1年間で最もすいていました。先月の方がむしろ混んでいましたが、今日みたいに暖かい日にすいているのは、患者さんもスタッフも想定外ででした。小雨が降って皮膚の乾燥も和らぎ、厳寒が過ぎ去り、しもやけも良くなり、冬の皮膚病は先月より少なくなったようです。今日当たりは花粉も飛んでいるようですが、まだ本格的ではなく、これからでしょう。季節の変わり目の端境期に相当する時期は、一時患者数が減ります。
こういう日に来院された患者さんはラッキーです。待ち時間がほとんどありません。当院では手術やレーザーは原則として後日の午後で予約制で行っていますが、現在、1カ月先まで予約が埋まっています。通常は一度受診されてからでないと、施術を受けることができないのですが、こんなすいている日では、その場で施術ができます。本日も飛入りで数件の手術とレーザー治療を行いました。
しかしながら土日は、そうもいきません。平日限定のしばしの優雅なひとときです。
「暑さ、寒さも彼岸まで」と言いますが、「皮膚科外来は繁忙も閑散も彼岸まで」です。例年、彼岸過ぎたら急に混んできます。今は、嵐の前の静けさでしょう。

2011-02-24

すべては芸の肥やし

私は開業医は町工場の職人でもあり、舞台芸人でもあると思います。年輪と経験が技と芸を光らせます。
私は、下町の零細企業の町工場のオヤジは、カッコイイと思います。手に職を付け、半世紀近くモノ作りを極め、熟練の技で日本発で世界に通じる逸品を世に送り出す。オヤジと数人の従業員の少数精鋭で、大企業が真似できないオンリーワンを作り出す。マニュアルなどあるわけがなく、失敗も含んだ自らの経験がすべての大偉業です。私は手に職系のプロフェッショナルに憧れます。
一方、舞台芸人は、お客さんの前に出て場数を踏んだ分だけ、芸が磨かれると言われます。医師が患者さんを診せて頂いた分だけ、臨床の力がつくのと同じです。いくら台本を暗記しても、舞台に立って恥もかき、時には酷評も受けないと力は付きません。
私生活も含めて、「すべては芸の肥やし」と言った芸人がいましたが、医師も同じです。
私は25年以上臨床をやってきましたが、若いころを振り返ると、赤面の至りです。私にとって、最大の芸の肥やしは子育てでした。20代独身の頃は、子育て中の方に対して冷やかに見ていました。実際子育てをすると、子供がいかに自分の思うようにならないのかを思い知り、過酷さも分かり、共感できるようになりました。
さらに、開業してからの最大の芸の肥やしは自らの老いです。30代勤務医のころは、顔のシミやシワを主訴に来院された50歳代の患者さん(丁度今の私くらい)が来院されると、「そんなの病気じゃない。」と思い、まともに相手にしませんでした。今から思うと申し訳ない限りです。40代で開業して、45歳頃より「お肌の曲がり角」を自覚するようになり、患者さんの訴えがとてもよく分かるようになりました。患者さんの気持ちに寄り添えるようになり、自分のことのように何とかしてあげたい、と強く考えるようになりました。これが、私を突き動かす原動力になりました。
年をとることは素晴らしいことです。私は今まで若いころに戻りたいと思ったことは、一度もありません。若いころの未熟ぶりを恥じるばかりです。一見、試練に思えることでも、人生に無駄はありません。すべてに意味があります。
アンチエイジングではなく、VIVA! AGINGです。これぞ究極の芸の肥やし!!

2011-02-23

治療の動機付け

昨日の私のコメに対して、本日皮膚科の先生よりコメを頂きました。同業の先生から頂き、嬉しかったです。光線療法に限らず、皮膚科疾患の場合、すぐには治りにくい慢性疾患が多いため、いかに患者さんに定期的に通院していただくかは、本当に大きな課題です。アトピー性皮膚炎、慢性蕁麻疹、ニキビ、尋常性乾癬、掌蹠膿疱症などほとんどの皮膚病は、内服薬、外用剤を指示通りに使用中は症状は改善されるけれど、通院を中断し服薬をやめると、初診時同様に症状は再発します。イボの液体窒素療法も同様です。処置に痛みを伴うため、つい数か月間隔をあけてしまうと、元に戻ってしまいます。
簡単には治らない病気に対して、いかに、患者さんに治療の動機付けを維持させるかは、すべての医師の共通の課題です。これができる医師を人は名医と呼ぶのでしょう。

2011-02-22

エキシマランプの価格

今回は患者さん向けではなく、皮膚科の先生向けに書きます。このブログにたどり着くための検索キーワードで多いのが、「尋常性白斑」と「エキシマ」の掛け合わせです。患者さんも医師も治療に難渋しているのがよくわかります。エキシマランプとエキシマライトはいずれも308nmの単一波長のターゲット型紫外線照射器のことで、メーカーによって呼び名が違いますが同じものです。尋常性白斑や尋常性乾癬に有効で保険適応があります。1回350点です。同業の皮膚科の先生からよくあるご質問「エキシマランプの購入価格はいくらなの?」に対して、お答えします。おそらく、金額ズバリを書いたブログは他にないと思います。各メーカーからの見積や実際に購入した知人からの情報による概算です。ただし輸入物は為替変動によって上下しますので、円安に傾いたならば高くなると思われます。
①米国PhotoMedex社  VTRAC          概算600~700万円   JMECが販売
②イタリアDEKA社 エキシライト・マイクロ   概算400~500万円 メトラスが販売
③国産ウシオ電機 セラビーム 概算500万円 テルモ・クリニカルサプライが販売

以上のうち、①と②のデモ機を使用した結果、私は昨年①を購入しました。決めた根拠は、1回当たりの照射時間の短さです。ワンショット当たり、数秒で済むのと、次のショットまでのタイムラグがありません。
昨年夏に、ある光線療法のセミナーに参加しました。そこでは新宿皮フ科日本白斑センターの榎並先生がご講演されました。先生は日本の皮膚科医で最も光線療法に精通された方で、あらゆる機種の使用経験がおありです。私は、休憩時間にそっと質問いたしました。「①~③の機種の中で最もお勧めはいずれでしょう?」と。「予算が許すのならば、①がお勧め。1患者さん当たりの処置時間が圧倒的に短縮できる。」とのお答えでした。主催側にお気を使われ、小声で教えてくださったのですが、私にとって大変貴重な情報でした。
そして、VTRACを使用して5か月たちましたが、1回の照射でナロウバンドUVB10回分の効果があるのでは、という感触があります。ただし、末端部分や古い病変ではナロウバンド同様に難治です。小児例で発症して間もない症例には抜群の威力を発揮します。
一方、エキシマレーザーXTRACという機械がありますが、こちらは、1台当たり1,500万円で更に、維持費で年間100万円かかかり、なおかつ保険適応がないため、自費の治療になります。購入価格が高い分だけ有効性も高いかとなると、必ずしもそうでもなさそう、とのことでした。医療機関にとっては割に合わないです。私は1,500万円のレーザーが決して高いとは思いませんが、ランニングコストの点で容認はできません。機械はやはり、丈夫で安定し手間いらずなのが一番です。

2011-02-21

レーザーの修理

当院では、美容関連の各種レーザーがあり、ハンドピースは7種類です。脱毛、シミ取り、シワとり、ニキビ跡、赤ら顔、血管拡張など、症状ごとに使い分けます。機械によって使用頻度も違いますが、丈夫で安定した機械もあれば、ちょっとした衝撃で故障するデリケートな機械もあります。すべてが外国製ですので、日本の技術者で対応できない場合、生産国の工場で修理することになります。昨年秋、使用頻度の多いあるレーザーが突然故障したため、メーカー本社のあるアメリカに空輸、修理され、本日当院に戻ってきました。人間と同様に、ケガや病気が重ければ、入院して専門医による治療を受ける必要があります。今回の入院期間は3カ月かかりました。この間、日本法人の好意で代替機をお借りしたので、幸い患者さんへの治療では支障は生じませんでした。
入院治療費(修理代)、空輸代など輸入諸費用合わせて、結構な金額でした。正常に作動することを確認してもらいましたので、明日から、またバリバリ働いてもらいます。
この種のレーザー機器は、購入時の代金も高額ですが、ランニングコストもかかります。大事に大事に労わって、取り扱わねばと思います。

2011-02-20

取手協同病院にて

昨日は、取手協同病院での東葛北部・茨城県南皮膚疾患検討会に参加しました。同病院皮膚科に紹介された患者さんの、その後の経過につき、皮膚科科長の福山先生より報告されました。その後、日本医科大学付属病院准教授の安齋先生より「日常診療に役立つ皮膚病理の知識」という演題で講演がありました。講演中、印象的だったことを記載します。
「尋常性疣贅と脂漏性角化症はそれぞれ、病理組織的にはきれいに鑑別しうる疾患ではあるが、同一病変での2者の合併はありうる。さらにそれぞれにおいて、表皮細胞の異形を認めることがある。すなわちイボの組織中、一部、日光角化症、ボーエン病、ときとして皮膚癌を認めることもある。検体として提出された標本中5%近い頻度で認められた。」
良性と悪性は、本来は病理組織学的に白黒きっちり鑑別しうるものですが、ときとして白と黒が混在することもありうる、との趣旨でした。歯切れのよい明快な語り口で、分かりやすく、大いに納得ができました。改めて病理組織を読むことの重要性と、疑わしきは手術が一番との認識を深めました。悪性を疑ったら、即、切って組織を確認。基本中の基本です。私は、この方針を続けます。
会終了後に、参加された皮膚科の先生方と情報交換しました。有益でした。
主催の福山先生、本当にお疲れ様でした。彼が研修医だったころ、私が科長で一緒に仕事していましたが、本当に立派に成長されました。彼は、皮膚悪性腫瘍の専門医であり、真菌症の専門家でもあります。この分野での臨床の力は抜きんでています。取手協同病院皮膚科のご発展と福山先生のますますのご活躍をお祈りします。

2011-02-19

無効なアドレス

丁度1週間前、2月12日に「携帯メール」というタイトルで投稿して、私が携帯メールを好まない理由を挙げました。それにちょっと追加します。携帯電話のメールアドレスの中で、相手が受信拒否などをしていないにもかかわらず、Outlook から送信するとエラーになるというものが存在します。それは、メールアドレスの中で ドットが連続していたり、@の直前に ドットがあるアドレスです。
このようなメールアドレスに対して Outlook から送信を行うと、実際には送信動作を行わず、「無効な受信者」として配信不能通知が返ってしまいます。 その理由は、そのようなアドレスはRFC2821という国際規約に違反しているからだそうです。
問題が発生するメール アドレス例
① @ の直前に、ドット (.) があるメール アドレス : xxxx.@xxxxxx
② @ より前で、ドット (.) が連続しているメール アドレス : xx..xx@xxxxxx

しかし、このような場合でも送信する技があるのを、知りました。それは、@よりも前の部分を”で囲い込む方法です。
①ならば ”xxxx.”@xxxxxx と書き換え、②ならば  ”xx..xx”@xxxxxx と書き換えます。
この方法で、私はつい先刻、妹の携帯メールにやっと送信することができました。経験的には、このような無効なアドレスを作るのは、圧倒的に中年女性です。相手にアドレスを変更させるのは、到底不可能ですので、こちらが知恵と技を駆使する必要があります。お困りお方、是非、お試しください。

2011-02-18

介護手続き

本日は休診日でしたが、診療以上に忙しい1日でした。もともと休みが少ない上に、休みの日に限って予定が入っているため、自宅でゆっくりする日はほとんどありません。今日は、両親の介護の手続きに追われた1日でした。午前中は、父の介護保険の更新のため訪問認定調査があり、それに立ち会いました。父は耳が遠くさらに複雑な事柄が咄嗟には理解できません。なので、調査員の方の質問を父に対して、私が大きな声で通訳?しました。いったん理解できると自分で答えます。父にとって、訪問介護サービスは本当にありがたいようです。午後は、認知症の母を有料老人ホームに入居させるための契約に行ってきました。1月31日に初めて見学に行って、本日契約しました。他の施設はまったく見に行っていませんので比較のしようもないのですが、大きなマイナスの要素も認められず、私自身の時間的余裕もないため、思い切って決めてしまいました。危うい老老介護の現実から脱出できるできると思うと、肩の荷が半分降りたような気がします。その後、母が現在お世話になっている通所施設と訪問介護事業所に挨拶に行って参りました。
母は要介護3で、介護保険の月額上限は267,500円です。仮に上限まで利用しても本人負担は1割の26,750円で済みます。利用者にとっては大いにありがたい制度なのですが、財源の内訳は50%が税金(国25%、県12.5%、市12.5%)、40~64歳の保険料が30%、65歳以上の保険料が20%だそうです。親の世代の負担区分が1割で済んでも、自分たちの世代ではそれで済むとはとても思えず、さらに子供の世代のことを思うと、背筋がぞっとします。
医療保険も含めて、これからの社会保障制度はあまりにも課題が大きいです。

2011-02-17

たかがニキビ、されどニキビ

チョコレートを食べ過ぎて、ニキビが悪化した方はいらっしゃいますか?チョコレートの過剰摂取とニキビの悪化について論じた文献的なエビデンスは、ほとんど存在しませんが、多くの方は経験的にそのように実感されていることと思います。
さて、ニキビの発症機序は①毛包漏斗部の角化異常すなわち、毛穴の詰まり、②ニキビ菌による炎症です。なので、この2つの原因を除去することが治療の目的です。①を除去するためにディフェリンゲルという外用剤があります。塗り方は、寝る前に洗顔してから、まず基礎化粧品などで保湿します。その上から、ニキビのある部位に広めに塗ります。人差し指の第一関節の長さ(1FTU)が顔全体に使う量ですが、目の周りや口唇などは避けましょう。次いで、②を除去するために抗菌剤を重ねて塗ります。朝は洗顔後に、基礎化粧品の後に抗菌剤を塗ります。その上から、メイクされても構いません。外用療法は即効性は即効性はありませんが、3カ月以上続けることによって新しいニキビができにくくなります。ディフェリンゲルは外用開始1~2週間で、赤くヒリヒリしたり乾燥することもありますが、使用を継続するうちに症状は落ち着いていきます。
中等症以上の場合では、抗生剤の内服を併用します。即効性があります。なので、炎症がひどい時に併用して、そこそこ引いてきたら、外用療法のみでも良いででしょう。
ニキビを悪化させる誘因として、女性では月経前が最も多く、他に睡眠不足、ストレス、頭髪などの摩擦や刺激などがあります。ニキビを潰したりいじめてはいけません。更に腫れてしまいます。
たかがニキビと侮らず、皮膚科にかかりましょう。ニキビ跡を残すと大変です。早期に適切な治療を受け、瘢痕を残さないことが大切です。

2011-02-16

本日のデザート

いつもの定番のお気に入りのワインと一緒に夕食を食べた後、デザートはチョコレートです。夫がバレンタイン・デイに職場の女子から頂いたものです。昨夜娘が食べる前に、撮った写真です。夫は一口も口にせず、私と娘で山分けです。おいしかったです。ご馳走様でした。
いつもは週に4回ZUMBAで脂肪を燃焼させているのですが、今週は何かと予定が入り、2回しか行かれません。明日は、ちょっとカロリーを調整せねば・・・。


2011-02-15

病院皮膚科と診療所皮膚科

2002年10月に開業して8年4か月たちました。同じ皮膚科を標榜しながらも、病院勤務の時と開業してからは、診ている疾患が異なります。ベースになるのはcommon diseaseであり、その部分は共通なのですが、病院は病床がありますので、当然重症であったり、全身状態の悪い患者さんが多く来院されます。総合病院の皮膚科では、内科や外科など他科と併診のことが多いです。開業医からのご紹介患者さんも多かったです。
私が勤務医時代に診た入院患者さんの主な疾患を挙げると、ウイルス感染症、丹毒、蜂巣炎、壊死性筋膜炎などの細菌感染症、広範囲の熱傷、天疱瘡、悪性腫瘍、紅皮症、薬疹、下腿潰瘍、血管炎、皮膚筋炎、SLE、強皮症などの膠原病などなど、多種多彩でした。他科の先生にも御高診いただき、併診して診療するうち、専門外の知識も身に付き非常にやりがいのある仕事でした。一緒に働いていた若い先生方も皆、優秀でした。勤務医時代は、私にとって過酷な労働環境であり、修行の場でしたが、良い病院で良い同僚に恵まれて、本当に幸せでした。
ひとたび開業したら、病床も画像検査機器もなく、医師は私一人です。上記に挙げた疾患を診る機会は減ってしまいました。入院適応のある疾患を早期に診断して、適切な時期に適切な医療機関に紹介することが大切であると認識しています。
一方、勤務医時代にほとんど診療することがなかったのに、開業してから多くの患者さんが受診され、診療のレパートリーを拡張することができた部分もあります。それは、美容皮膚科の診療です。開業直後、ニキビ跡やシミを主訴に受診される方があまりにも多いのに、実は驚きました。勤務医時代には、こういったものは病気ではないという認識でしたが、私はそれを改めました。そして、私は目の前の患者さんの悩みを解決したいという情熱にかられ、患者さんに背中を押されるような恰好で、次々に新しい技術を導入しました。これが、私が美容皮膚科を始めたきっかけでした。いったん手を染めると、奥の深さを痛感し、どんどんのめり込んでいきました。続きはいつか、また後日にします。
ただ、ひとこと言えること。それは、現在の仕事は勤務医時代と同様、非常にやりがいを感じています。しかしながら、勤務医として頑張っていらっしゃる先生には、できることなら勤務医を続けてくださるよう、心から応援したいと考えています。

2011-02-14

チョコレート大好き

今日はバレンタインデイです。私は誰にも差し上げていませんが、女性の患者さんから昨日、1日早いチョコレートタルトを頂き、本日、診療終了してから賞味いたしました。チョコレートは口に含むと幸せな気持ちになります。おいしさのあまり、理性を働かせないとやめられません。東京大学の上野千鶴子教授も、チョコレート依存症で常にバッグに入れて持ち歩いている、とエッセーに記していました。
ところで、私の母は昭和6年生まれです。終戦直後、日本中が皆貧しくて飢えていたころ、進駐軍がやってきて、子供たちにチョコレートを分けたそうです。当然、子供たちは飴に群がる蟻のごとく我先にと手を伸ばしました。母も「Give me chocolate!」と手を伸ばし、受け取ったハーシーチョコレートのおいしさに、衝撃を受けたそうです。たった一粒のチョコレートで、子供ながら日米の国力の差を思い知って、敗戦のワケを一瞬で悟ったと語っていました。
その後、日本が豊かになり、明治、森永、ロッテと国産品が豊富に生産され、母は私に語りました。「チョコレートは、日本が一番。今更、アメリカ製のものなんて食べる気がしないね。」
私は子供のころから甘いものは大好きで、最も好きなのはチョコレートでした。そのためか、10代のころの私はデブでした。15歳がピークで、今よりも13kg太っていました。25歳で医師になってから、食生活や生活習慣が変わり、日に日にスリムになり、ここ25年間体重はあまり変わりません。3年前に卒業30年目の高校の同窓会がありましたが、同級生一同、私の体型の変化に驚いていました。
子供のころからの生活習慣で、現在もやめられないことが一つだけあります。それは、夕食後にチョコレートを食べることです。我が家の常備品は明治のベストスリーです。赤、黒、茶の3色が入って、一袋298円です。これを3個食べて、至福の時間を過ごします。

2011-02-13

業務用のパソコン

私の医院は、医師1人の小さな診療所ですが、合計8台のパソコンを業務で使用しています。NTTのBフレッツのモデムからは、代表電話とFAX、オンライン請求用パソコン1台が接続されます。さらにモデムからは、ブロードバンドのルータ経由で7台のパソコンに接続しています。
メインは電子カルテの4台です。受付2台、診察室1台、処置室1台これらがネットワークで1台のプリンターを共有しています。電子カルテには多少不満があっても、「現行では完璧な電子カルテは存在しない。」と半ば諦めて、腹をくくって日々使っています。日常の業務では大きなストレスは感じません。
当院ではアイチケットを採用しています。患者さんが当日の順番をとるシステムで、、受付で1台、診察室で1台でこの2台が連動しています。インターネットで患者さんが送信すると、リアルタイムで2台の画面で待ち人数の番号が進みます。診察中の私からも、待っている患者さんの人数が瞬時に分かります。診察室の私が、マウスをワンクリックすると、待合室内で呼び出しの自動音声が流れ、インターネットを見ている患者さんも表示を更新すると番号が進んだのを見ることができます。インターネットを使えない一部の患者さんからの御不満、順番に間に合わなかった患者さんへの対応などで説明を要することもありますが、総じて、非常に有用です。これがないと、「どれだけ待ったら呼ばれるの?」という質問への対応に追われてしまいます。このシステムには唯一最大の弱点があります。御家族など連番で数人の患者さんが遅刻されると、一気に番号が進み、ドミノ倒しで後の患者さんも間に合わなくなります。なので、順番に遅れないよう来院していただくようお願いいたします。
残り1台は院長室で私が使うパソコンです。院長室ではケーブルをさらにHUBにつなげ、そこから1本はパソコン、1本はVoIPアダプタ経由でIP電話を設置しました。配線と設定は私が自分でやりましたが簡単でした。1本のケーブルから電話が繋がった瞬間、とても嬉しかったです。メール、ブログの更新、給与計算、会計ソフトへの入力、業者への銀行振込などは、ここで行います。
以上で8台です。その他に自宅のパソコンで医院のHPを更新しています。自宅でブログを更新することもありますので、実質的には合計9台がフル稼働しています。
このうち電子カルテのパソコンだけは他と違って短命です。購入時には常に最もハイスペックな商品に、種々の機能をカスタマイズして購入していますが、ほぼ3年で不調になるか突然死します。外付けHDへのバックアップは日々のルーチン業務です。個人用のものは、DELLのそこそこのスペックで最安値を狙って購入しますが、長持ちします。
業務で酷使するパソコンは短命です。あたかも、良く働くが短命な使役犬のようです。それだけに日々、可愛がって使うしかありません。

2011-02-12

携帯メール

相撲界では、八百長疑惑のある力士に対して携帯電話を提出するよう要求したところ、機種の変更をしたとか、妻が踏んだとかの笑止千万の言い訳をして拒んでいる者がいる、との報道がありました。この報道で、私はある疑問を抱きました。力士たちは、携帯メールしかやらないの?パソコンからメールを送信しないの?なぜ捜査目的でパソコンの没収をしないの?パソコンなら、簡単には妻が踏むこともないでしょうし。不思議でした。
一方、私は、携帯メールはやりません。専らパソコンのみです。理由の一つが、携帯メールの親指で操作する煩わしさです。力士が太い親指で操作できるのが不思議です。パソコンならば簡単に迅速に入力できます。私は個人用のパソコンの電源を昼間は入れっぱなしで、outlookが自動メールチェックしますので、ほぼ24時間以内に返信しております。
さらに、携帯メールを受信した場合、困るのが、やたらと絵文字だらけの文章です。携帯でうっている側は気付かないかもしれませんが、パソコンで受信すると絵文字は文字化けするか、太い=記号に置き換わってしまい、肝心なキーワードが抜けて、文章全体の意味が不明になることがあります。虫食いのひどい手紙を想像力を働かせて読解する羽目になります。
いい大人が絵文字だらけのメールを出すと、知性を疑われる結果になりかねません。
さらに、もっとも困るのが、NTTドコモの場合です。ドコモメールはパソコンでの受信は問題ないのですが、パソコンから返信するとドコモ端末で拒否されることが多いです。他社よりも迷惑メール対策が強化されているようで、ユーザー側で、特定のドメインの受信を許可するなどの、設定の変更が必要です。この操作のためには暗証番号が必要です。こうした事柄を理解していないユーザーが、意外と多いです。年代的には、私と同世代の中年女性に多いです。この方々にパソコンからの送信をお願いしても、パソコンメールはもっと使えないことが多く、意思疎通で不自由します。
念の為、ドコモの設定変更のページをリンクします。
http://www.nttdocomo.co.jp/info/spam_mail/measure/domain/setting/imode/index.html

実は、私は携帯電話を使えません。携帯でwebを開いたことがないのです。なので、このブログが携帯から見ることができるかどうかも知りません。同世代の同性の方々の例に漏れず、機械が苦手です。このブログを始めてから、携帯をカメラとして使い、写真を自分のパソコンに送信する道具として使っています。現在、通話、メール、webいずれも使用せず、当分、モバイル機種とは無縁の生活が続きます。

2011-02-11

ホテルグランパシフィックLE DAIBAにて

本日は休診にして、台場のホテルグランパシフィックLE DAIBAでの日本皮膚科学会東京支部学術大会に行ってきました。私が聴講した講演は、膠原病、脱毛症、血管炎です。大阪大学皮膚科の片山教授が、「シェーグレン症候群の病態と皮疹」について講演されました。私は丁度20年前に、都内の大学病院で片山先生とご一緒に、膠原病専門外来を担当し、シェーグレン症候群の全身的な診断と治療をご教示いただきました。この時、片山先生のたぐいまれな優秀さに感服し、心より尊敬しておりました。現在、日本の皮膚科学会、否、世界の皮膚科学会でシェーグレン症候群を語らせたら、片山先生をおいて他にはいません。今回の講演は特に目新しい内容ではなく、20年前に教えていただいた事柄につき、さらに症例の蓄積を重ねて、文献的なエビデンスを加味したものでした。私は、日本のトップクラスの優秀な先生に、直接を教えを乞う機会を得て、本当に幸運でした。
会場内では、勤務時時代にご縁したなつかしい先生方にもお会いし、近況を報告しあいました。久しぶりにご活躍ぶりをうかがい、嬉しく思いました。
今晩は雪が深まるとの予報でしたので、懇親会には出ずに、夕方には台場を後にして帰宅しました。明日は仕事です。雪が積もらなければ良いのですが・・・。

2011-02-10

帯状疱疹後神経痛

立春が過ぎたとはいえ、寒い日が続きます。明日は南関東でも大雪の予報です。今年の冬は例年よりも寒いです。しもやけの患者さんも「こんなにひどいのは初めて。」と言う方が、例年よりも多かったです。そして、この冬に帯状疱疹を発症した患者さんの中には、痛みがなかなか治らない方も多かったです。
帯状疱疹後神経痛は、末梢性神経性疼痛の一つで、ウイルスが神経線維に沿って暴れた結果、神経線維が損傷したために起こります。温めると楽になりますが、寒冷によって悪化します。急性期の疼痛には、通常の鎮痛剤が有効ですが、1カ月以上経過した疼痛には無効になります。このような場合、古くから三環系抗うつ剤が試みられていました。私も「うつ病の薬が効く可能性がありますので試してみます。でも決してあなたがうつ病だから出すのではありませんので、御安心ください。」と言って、抗うつ剤を投与し続けてきました。当然有効例もありますが、無効例もありました。

昨年6月に、リリカという新しい薬が発売されました。神経系に分布するカルシウムイオンチャネルの2(アルファ2デルタ)サブユニットに結合し鎮痛作用を発揮する、従来の疼痛治療薬とは異なる新しい作用機序の薬剤です。私は発売直後より使用していますが、非常に有効との印象を持っています。副作用には、浮動性めまい、傾眠、浮腫があります。それでも、従来の治療に比べて有効性に満足される方が多いです。
私は、抗ウイルス剤投与1週間後でも強い疼痛を訴える患者さんには、帯状疱疹後神経痛予備軍と考え、リリカの投与を開始することにしています。リリカ投与後1ヵ月でも、夜間眠れないくらいの痛みが続く場合、ペインクリニックの専門医に紹介します。
この寒さは、帯状疱疹の神経痛には相当こたえるようです。暖かい春が来るのが待ち遠しいです。

2011-02-09

子供の帯状疱疹

数日前に水痘(水ぼうそう)流行の話題を出しましたが、この冬は帯状疱疹の患者さんが多かったです。水痘にかかったことがあれば、年齢に関係なく帯状疱疹が発症する可能性はあります。お年寄りの病気ではありません。私の娘2人もすでに帯状疱疹にかかりました。
長女:3歳で水痘罹患、17歳で帯状疱疹発症、それなりに痛がりました。
次女:生後3か月で水痘罹患、母体由来の抗体が残っていたためか、発疹はわずかな数のみ。しかしながら、2歳で帯状疱疹発症。痛がる様子はなく、若干痒がっていました。

次女は生後2か月から保育園に入園したため、予防接種をさせるよりも先に、次々と一通りのウイルス感染にかかりました。私は次女のおかげで、皮膚科医としてウイルス性発疹症の初期から治癒までを観察する機会を得ることができました。特に、3歳の時にかかった麻疹は最初は高熱のみで診断がつかず、後から発疹が出てきて、診断がつきました。連日、口腔内と全身の皮膚を観察しましたが、どんな文献を読むよりも、我が子の症例が最大の勉強になりました。医師が子育てをするのは、臨床の腕を磨く最大の機会です。

さて、帯状疱疹の治療ですが、水痘ウイルスをたたく抗ウイルス剤が有効です。次女が2歳で帯状疱疹に罹患した当時はゾビラックス顆粒を飲ませました。1日5回は困難なので、1日4回に分けました。1週間後にはほとんど消えてしまいました。
長女の時には、バルトレックスが発売されていましたので、1回2錠1日3回で飲むよう指示しましたが、生来のずぼらさと、バルトレックス錠剤の飲みにくい大きさのためか、きっちりと飲まなかったようです。1か月たってもまだ時々痛い、と言っていました。その1年後に、長女の机にバルトレックスの錠剤が残っているのを発見しました。
帯状疱疹は年齢が若いほど軽症です。子供では、水疱よりも虫刺されのような丘疹(ブツブツ)を呈し、痛みよりも痒がることが多いです。それでも、やはり医療機関を受診し治療を受けた方がよいです。
2008年にはファムビルという薬が発売されました。こちらは、より小さな錠剤なので飲ませやすいです。現行では、小児への安全性が確認されていない、と添付文書にありますが、ある程度年長の学童以降では、顆粒よりも飲みやすいのでは、と考えます。

さて、娘のほか、他の家族も帯状疱疹にかかりました。
母は50歳代でかかり、当時は経口薬がなかったため、都内の大学病院に1週間入院しました。ゾビラックスを8時間ごとに点滴し、当直の先生方の手を煩わせました。夫は40代でかかり、バルトレックスを飲みました。妹は20代と40代で2回もかかりました。ちなみに通常は一生に一度かかるのですが、100人に1人位は2回以上かかります。
さて、私自身は、まだ帯状疱疹にかかったことがありません。一生かからないで済めばよいのですが、もしかかったら、近くの先生にファムビルを処方していただこうと思います。その昔、入院点滴をしていた時代を考えると、仕事を休まず飲み薬で治せるとは、経済効果への貢献度は高いです。

2011-02-08

なだ万のお弁当

今日の昼食は、某メーカーの昼食付き説明会があり、なだ万の幕の内弁当を差し入れて頂きました。目にも鮮やかなので、食べる前にシャメしてから、一気に全部おいしくいただきました。通常の1日分の惣菜の量よりも多く、カロリーも多そうです。
午後の仕事はレーザー1件、手術1件サクっと終わり、15:00~お楽しみのZUMBAに行ってきました。ここで、いつものごとく爽快な汗をかきました。「燃やせ、燃やせ、脂肪を燃やせ!」と、心の中で絶叫しながら。
いつまでも、おいしい物をおいしく頂くためには、運動は必須です。おいしい物は明るいうちにいただき、夜はビール(またはワイン)と惣菜少々のみです。夜は粗食が一番です。
早寝、早起き、朝ごはん、これぞ、アンチメタボの基本です。


2011-02-07

サムライブルーの強さのエビデンス

昨日の続きです。おとといの会でのスポーツジャーナリスト二宮清純氏の講演の報告です。
なぜ二宮氏がアレルギーの講演会に呼ばれたのか、素朴な疑問に開口一番言われました。「喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎の3大アレルギー疾患と闘う患者の代表だからです。」
氏の話は、医学とは無関係のスポーツの話題ばかりでしたが、私にっては初めて聞く話ばかりで面白かったです。内容は、八百長問題で揺れる相撲界の裏話、メジャーリーグの野茂選手のエピソード(氏が最も尊敬するのは野茂選手だそうです。)、先のアジア杯で4度目の優勝を果たしたザック・ジャパンの話題などでした。
氏は、講演中に参加者に対してクイズを出しました。昨年の南アフリカW杯で、日本代表は技術面でのある指標において世界一だったそうです。ちなみに順位では
1位日本59%、2位スロバキア52%、3位オランダ50%、4位イングランド48%、5位アルゼンチン47%
強豪チームを抑えて32チーム中、堂々のナンバーワンです。ホワイトボードにこの数値を書かれ、会場内に向かって、一体何の数字でしょう、と問いかけました。何人か挙手され、最後の方が見事正解でした。
オンターゲット率といって、シュートが枠をとらえたパーセンテージのことだそうです。ちなみに日本が初めてW杯に出た1998年のフランスW杯でのオンターゲット率はわずか20%。これは32チーム中、最下位だったそうです。12年間での日本チームの成長を物語る数字だそうです。これが、アジア杯優勝を果たしたサムライブルーの強さのエビデンスと言えるとのこと。氏は、医師が好む「エビデンス」というキーワードを使われました。さすがです。

2011-02-06

グランドプリンスホテル赤坂にて

昨夜は、紀尾井町のグランドプリンスホテル赤坂にてザイザル発売記念講演会がありました。主催はグラクソ・スミスクライン㈱です。ザイザルは昨年12月10日に発売された「眠気のない抗ヒスタミン薬」で、発売1カ月で記録的な売上を更新したそうです。講演会では、薬理学、皮膚科、耳鼻科の先生方の講演がありました。印象的だったのが、山梨大学耳鼻科教授の増山先生の講演です。
「花粉症などの季節型アレルギー性鼻炎の治療では、中等症以上では抗ヒスタミン薬の内服と噴霧式ステロイド点鼻薬の併用が標準治療である。シーズン中に症状が軽快しても点鼻薬は中止せず、連日用法通り使用続ける必要がある。見かけ上臨床症状が治まっていても、鼻粘膜の組織では好酸球浸潤を伴う炎症は消失していない。炎症をしっかりコントロールするためには、局所のステロイドの使用は必須である。」
アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用療法の考え方とまったく同じです。痒いときのみ塗ればよいのではなく、完全に皮膚炎が消失するまでは、連日きっちりと塗る必要があります。
花粉症の治療でも、中等症以上の場合はステロイド点鼻薬を連日続ける必要があります。症状に応じて頓用では不十分だそうです。大変勉強になりました。
この後、スポーツキャスター二宮清純氏の「スポーツにみる勝者の思考法」という講演がありました。内容は別の日に報告します。
講演会終了後に懇親会があり、同門の皮膚科の先生数人に会いました。25年位の親交がありますが、お互いに年をとり話題も変遷し、ちょっと前まで子供の教育が中心でしたが、昨夜は親の介護の話題が出ました。同じような課題を抱えているのが良くわかりました。同年代の旧友にたまに会うのは良いものです。

2011-02-05

水ぼうそう、りんご病が流行っています

巷ではインフルエンザが猛威を古い、千葉県では警報レベルに達しました。一方そのほかのウイルス感染も流行しています。
皮膚科領域では、一つが水ぼうそうです。発熱とともに、皮膚と口腔内や外陰部の粘膜に小水疱ができます。通常は終生免疫ですが、ゼロ歳時の免疫システムが未熟な状態で罹患した場合には長じてから再感染することもあります。明らかな感染の既往があっても、免疫不全の状態では再感染の可能性もあります。ワクチン接種後でも感染することはありますが、軽症で済みます。小児よりも成人発症例の方が症状が重症化し、ときに肺炎を併発することもあります。発症した場合には、速やかに医療機関を受診してください。抗ウイルス剤の内服薬が投薬されます。非常によく効きます。小児では1週間、成人では2週間で発疹はかさぶたになり治癒します。水ぼうそうは感染性が強いため、発症したら登園登校、出勤はできません。医療機関受診時にも、受付に水ぼうそうの可能性があることを一言お伝えください。他の患者さんへの感染を防ぐ配慮をされるはずです。

一方、りんご病。伝染性紅斑といってヒトパルボウイルスB19が原因です。昨年夏に大流行しましたが、秋以降患者は皆無になりました。ところが今週より流行の兆しがでて、当院では今日までに3人が受診されました。小児では、頬の紅斑の他、上肢下肢、おしりに網目状の紅斑がでます。多少の痒みはありますが、発熱もなく元気です。一方成人では顔はあまり赤くならず、上肢下肢、体幹に風疹のような細かい紅斑と、指、下肢のむくみ、微熱、膝の関節痛を生じます。成人女性では倦怠感が強く出ます。夕方に悪化し、家事労働も辛くなります。あたかも膠原病にそっくりな症状で、血液検査でも抗核抗体陽性、血清補体値の低下などSLEの所見が一時的にでることもあります。小児、成人とも治療は不要です。3~4週間の経過で自然治癒します。紅斑が薄くなっても紫外線に当たるとまた赤くなりますので、露光は避けた方がよいです。登園、登校、出勤は制限する必要はまったくありません。通常通りの生活で構いません。

「学校感染症第三種その他の感染症:皮膚の学校感染症に関する統一見解
お子さんとその保護者さんへ  皮膚の学校感染症について
保育園・幼稚園・学校へ行ってもよいか? 休まなければならないか?」
について、参考までに以下をリンクします。
http://www.jocd.org/img/top/infectious100731.pdf

2011-02-04

花粉の量がN倍になると患者数は√N倍

昨夜、スポーツクラブでZUMBAを終えて、いつものごとく風呂から上がり顔はスッピン眉毛もなく、髪はボサボサ濡れたままで、女子更衣室から出たところ、ばったりT耳鼻咽喉科のK先生(男性医師)と会いました。K先生が昨年誘ってくださったお陰で、私はずっぽりZUMBA にはまり込めたのですが、残念ながら彼はエアロビクス専門なので、私とZUMBAのスタジオで御一緒する機会はまったくありませんでした。
彼は勤務医時代からの19年来の友人です。皮膚科医は夏に繁忙期を迎える季節労働者ですが、耳鼻科医も春に繁忙期を迎える季節労働者です。毎年、この時期になると彼とは花粉談義をします。10年くらい前だったでしょうか。彼から「花粉の量がN倍になると患者数はルートN倍になる。」という法則を聞きました。理系秀才らしい分析で、説得力とインパクトがありました。
さて、昨夜も花粉の話がでましたが、まだ本格的に発症している患者さんはそう多くはないけれど、ボチボチ、とのことでした。顔は、ほくそ笑んでいました。今年は関東では昨年の5倍の花粉が飛ぶと予想されていますので、彼の法則によると患者数は√5=2.236・・・倍との予測でしょうか。
さて花粉症対策、早めになさってください。当院でも毎年治療している御馴染みの患者さんには、先月末より投薬を開始しています。花粉症の具体的な対策は、また別の機会に詳述します。

2011-02-03

ZUMBAとβ-エンドルフィン

エンドルフィンとは、脳内で働く神経伝達物質の一種で、鎮痛効果や気分の高揚、多幸感などが得られるため、脳内麻薬とも呼ばれます。 体内で分泌されるモルヒネを意味し、モルヒネの数倍の鎮痛効果があります。エンドルフィンにはアルファ、ベータ、ガンマの3つがあり、β-エンドルフィンはその中でも苦痛を取り除くときに最も多く分泌されます。マラソンなどで苦しい状態が一定時間以上続くと、脳内でそのストレスを軽減するためにβ-エンドルフィンが分泌され、やがて快感や陶酔感を覚えるランナーズ・ハイと呼ばれる現象がよく知られています。食欲や性欲が満たされた時も同様だそうです。
私がズッポリはまっているZUMBAには、このβ-エンドルフィンを大量に分泌させる効果があるのではと感じます。見正らは、京都大学の先生と共著で「有酸素運動における脳波・血中β-エンドルフィンの動態MOVEMENT OF ELECTOROENCEPHALOGRAM AND PLASM β-ENDORPHIN IN THE AEROBIC EXERCISEという論文を書いております。
私が通っているZUMBAでは脂肪を燃やす筋トレ系のダンスが主体ですので、心肺機能と筋肉が鍛えられます。過酷な運動を一定時間続けていると、辛さを通り越して一種の快感に転じていきます。ノリノリのラテンビートとの相乗効果で、気分はますますハイになり、多幸感にどっぷり浸れます。仕事の疲れとストレスは、これで発散できます。1時間汗をたっぷりかいてお風呂に入り、髪も乾かさずに外に出るのですが、まったく寒さを感じず、外気が涼しくて気持ち良いとさえ感じます。代謝が亢進しているためでしょう。徒歩で帰宅して、一気に飲むビールが最高においしく感じます。
今夜もZUMBAへGO!

2011-02-02

月間ランキング発表

ブログを開設して1カ月たちました。3日坊主で終わるかと懸念したのですが、遂に1ヵ月、連日更新し続けることができました。ブログの更新は予想したよりも苦にならず、日々、ページビューの統計を見るのが楽しみでした。ネタに尽きることはなく、書きたいことは一杯あるけれどネタの優先順位をつけるのに苦慮したくらいでした。
ここ1カ月のトータルのページビューは2,033件で、参加者の国籍別では日本2,011件、マレーシア15件、アメリカ2件、ベトナム2件、中国1件、オランダ1件、タイ1件でした。外国からも見ている方が意外に多いのには驚きました。
ページビュー(閲覧回数)の月間ランキング・ベスト10を発表します。
1位「皮脂欠乏性湿疹」、2位「有料老人ホーム見学」、3位「アルハムブラの熱い夜」、4位「乳児湿疹」「アーカイブ付きカレンダー」「冬の皮膚科外来」が同順位、7位「成人の日」、8位「富士山」、9位「ZUMBA」、10位「イチロー名言」
1位の皮脂欠乏性湿疹は、あるブログにリンクされていて、そこを経由して日々閲覧が絶えません。圧勝です。実は、これは診療中に患者さんが途切れてヒマなときに、たまたまサクサク書いて、急いでアップしたものです。日々患者さんに説明している当たり前の内容にもかかわらず、反響が大きいのにはびっくりしました。
2位の有料老人ホーム見学も、まだアップして2日の経過ですが、即日に2位に躍進しました。私的な内容にも関わらず、とても不思議です。
3位の「アルハムブラ」は、スポーツクラブの会員さんや関係者の方々が見てくださったと思います。
実はトラフィックソースから、検索キーワードを見ることができます。当院のHPのトップページにリンクしているので、9割以上の方はそこから入ってくるのですが、検索してこのブログにたどり着く方もいます。キーワードで最も多いのは「尋常性白斑」「エキシマ」でした。この病気で悩んでいる方が、治療法を求めてネット検索している様子を伺い知ることができます。検索されている方の要望に応えて、いつかこの分野につき詳細に記します。検索キーワードで傑作だったのは「数学が苦手だけど医学部合格」というのが1件のみあり、思わず笑ってしまいました。「センター試験」にたどり着いたようでした。
肩肘を張らずサクサク書いたものが受けて、ムキになって書いた「力作」と思ったものが意外に不評だったりと、思惑とは裏腹で、そこがまた面白いです。当分ブログは続けていけそうです。

2011-02-01

お勧めの病院

昨夜は、柏市立柏病院の症例検討会に行ってきました。今回は164回目だそうで、院内の全科の医師および看護師、院外の地域の医師を対象に定期的に開催しているようです。私は初参加です。外科、眼科、内分泌科、呼吸器内科の計4症例の供覧のあと、病院の食堂で懇親会があり、野坂俊壽院長(消化器外科が御専門)と久しぶりにお話ししました。彼とは、18~19年前に茨城県の病院で一緒に働いていました。当時は外科と皮膚科が同じ病棟で、病棟で頻繁に飲み会をしていました。一度、御自宅にお招きいただき、家族でお邪魔したことがありました。チャーミングな奥様と利発で聡明な御子息がいらっしゃいました。その後、野坂先生は、米国留学や大学病院勤務を経て7~8年前に現職に就任されました。なかなか、お会いする機会も少なく、年賀状のみのやり取りでしたので、久しぶりの再会でした。
柏病院の医師たちとは、あまり今まで面識がなかったのですが、懇親会での雰囲気からして、ここは医師たちにとって働きやすい病院であると感じました。皮膚科、耳鼻科、産婦人科などがなく、医師数も少なくベッド数も200ほどの小さな病院ですが、小さいだけにお互いの意思疎通が円滑で診療にそれが生かされていると思います。症例検討会の内容からも、医療の質の高さを感じました。ハコモノの店構えは小さくても、匠の技を持つ職人が腕を奮って働いているという印象です。質の高い医療は、病院の規模や設備だけでは決まりません。柏病院の理念には「知識も技術も、これを支える温かい心があって初めて生きるので、患者さんを思いやる心を忘れないこと。」とあります。野坂院長は自ら、この理念を実践されているように見受けられます。知識、技術、そして人間性と3拍子揃っています。私が患者だったら、かかりたいお医者さんです。
昨夜の懇親会でのツーショット